《HAL's Hearing Report》


No.0072 - 2001/12/7

東京都東久留米市在住  T・S 様より


川又様  マラソン試聴会に伺った折りに[音の細道]のファイルをフロッピィ にコピィして頂きまして有り難う御座いました。

メールで送って頂いたのですが、解凍しようとしたらファイルが壊れており 解凍出来ませんと言うメッセージが出たので、コピィして頂きました。

“SHEER”のレポートに応募致します。

忙しく、川又様から入手しても、しばらく封も切らずにおりました。 アンケートの締め切りも迫り、ようやく封を切り、ためしてみました。

住宅事情もあり、皆様の様なグレードの高い装置は所有しておりませんが、 今までの報告と多少違った形の報告をさせて頂ます。

装置の概要は省略させて頂ますが、CDプレーヤーはPHILPS LHH700で STAXSR-Λ Professional コンデンサーヘッドフォン(現STAX社の 製品ではなく、倒産以前のSTAX社の製品です)で試聴しました。

一般的なスピーカーではないので、部屋のアンビニエンスに捕らわれず、 また、コンデンサータイプの為、比較的フラット試聴ができると思います。

試聴CDは
A.純金チェックCD(2枚組の内の1枚、技術新聞社製)、
B.ニューヨーク・スタインウェイが奏でるクラシック珠玉の小品集
(純金CD、技術新聞社製)
C.400年前の西洋音楽と古楽器(純金CD、技術新聞社製)
D.展覧会の絵(山下和仁編 ギター独奏曲 BMGビクター)
E.ヨーウオーマ・プレイ・ピアソラ(ソニーレコ=ド)
の5枚から曲をピックアップして試聴しました。

A〜CのCDはかって、CDマカジンと言う、日本では最初ではないかと 思われる音楽CDを雑誌に添付したオーディオ雑誌を発行していた 会社が製作したCDです。現在は廃刊になっております。 音質にこだわり、一般のCDのアルミ蒸着ではなく金を蒸着したCDです。

A.純金チェックCDからスーパー・レコーディング・シリーズ(フル デジタル録音)より
1.Lullaby of Birdlando(ジャズボーカル曲)
2.カスカーダ(インディアンハープ・ギター曲)
3.アイネ・クライネ・ナハトムジーク(バイオリンの室内楽曲)

ジャズボーカルのバックバンドのピアノの高音部分がくっきりと分離 していながら、それが非常に心地良い。また、ベースの低音部が“SHEER” 使用以前は何となく聞き過ごしていた音が、気になる音に分離して聞こえ るようになります。次の曲のインディアンハープの高音部分のかき鳴らし 部分がきらびやかになり、それがまた、非常に心地良い。 バイオリンにおいても、しかりであります。

B.ニューヨーク・スタインウェイが奏でるクラシック珠玉の小品集は 日本に数台しか無いと言われているスタインウェイを20ビットでフル デジタルで録音された純金CDです。

試聴した曲は
1.トルコ行進曲(モーツアルト)
2.ポロネーズ ト短調(ショパン)
3.ノクターン 嬰ハ短調(ショパン)

何れの曲も高音部分で音が乱打された時の心地良さは、薬中毒症の 感があり、SHEERを手放せなくなる恐れがあり、製造中止が永遠に 来ないこと願うばかりです。

C.400年前の西洋音楽と古楽器は天正遣欧少年使節団による聚楽 第演奏後400年記念として製作された純金CDです。関白秀吉が感動の あまり3回もアンコールしたと言われている、当時、演奏されたと推測 される曲を、また、当時使用されたと思われる古楽器を復元して録音 されたCDです。

古楽器の木管フルート、チェンバロの音が際立ってきます。 全体に言えることですが、“SHEER”を塗布することにより、楽器の 倍音成分の分離が良くなる様に思われます。

D.展覧会の絵、E.ヨーウオーマ・プレイ・ピアソラも同様で聞いていても、 聞き疲れのしない心地良さを味わえる“SHEER”は逸品だと思います。

純金CDでない一般のCDも比較してみました。

私、若い頃、ギターを勉強していた次期もあり、ギターの音だけは、 楽器本来の音が解ります。CD、レコードは総じて、ギターに限らず 楽器本来の音よりは、きれいに、響きのある音に編集で仕上げて ある様に感じます。楽器本来の響きの音源をオーディオ装置により 自由自在にコントロールする、オーディオの行き方があってもよい のではと思います。

上手に表現できませんが、現代のCD、レコードは音を作り過ぎて いる様にも思います。何かレポートとは外れた話しなってしまった ので、この辺で終わりにします。


HAL's Hearing Report