《HAL's Hearing Report》


No.0055 - 2001/11/14


四国は阿波の住人

11月9日 久しぶりにお邪魔しました。
新しく5555と銘打った新しいリスニングルームは前より随分と広くなり、 音響デバイスも設置してあり、いかにも良さそうな感じがする。

川又さんは不在だったのでアシスタントの女性にお願いして、さっそく 持参のCDをかける事にする。

スピーカーはアバロンのDIAMONDやフラグシップモデル等も聞いてみた かったがマラソン試聴会期中でもあり、B&Wのsignature800のみを聞かせて いただいた。

ヘンデルのオペラ セルセ(オンブラマイフ,最終合唱)
極めて自然な響きである。
人の声がしっとりと響き、弦の音もカサつかず大変に素晴らしい。
最終合唱の声数の多さなどは見事。
解像力、自然な質感描写が何れも極めて高いレベルにある。

ここあたりで川又さんが食事からお帰りになり挨拶をするが「随分と良く なりましたね」というと、我が意を得たりと言う表情がとても印象的だった。

RR のトッティー の「火の鳥」 HDCD CDであるがDACがHDCD対応でないようだ。
HDCD再生時の滑らかさとは異なるが、かなりのレベルである。
特筆すべきは低域のクリヤーさである。
低域の音階が明確に聞き取れ、それもかなり力感があふれる演奏である。
最低域では、ごく僅か定在波が発生しているのかもしれないと感じる点は あるが、この低域は一種の快感であった。

カサンドラ ウイルソン の ランデブー これもHDCD CDだが、・・
このCDでマークレビンソンとワディアを始めから聞いていたdCSのエルガー+ クロノスとの聞き比べをした。MLは少し丸くなり、ワディアは少し淡くなるが 何れも大変に素晴らしいレベルにあった。
ただエルガ−+クロノスは、音の密度と低域の解像力が素晴らしく、シス テムの魅力に大いに貢献しているようである。
もっとも、それを十全に再現するスピーカー+アンプがあるのはもちろんである が私はdCSのDACの魅力を強く感じた。

キャシー バーバリアン モンテベルディー ラブレター
ベリオ セクエンツィアV
間の静けさ 声の持つ緊張感など、殆ど完璧と言いたくなる誘惑に抗すのが 困難なくらいである。強いて欠点を探すとするならば、僅かに中高域の解像力、 空間表現にごく僅かに不足を感じる。もう少し会場の広さ、会場の壁が見えて も良いとは思うのだが。多分,私の憶測であるが、スピーカーのエージング 不足??かなと思うが如何だろうか?

前回まで(以前の試聴室)は、高い方にごく僅か独特の響きが個人的には、 少し気になっていたが、5555になって始めて聞いた印象は大変に素晴らしい ものがあった。

川又さん! 脱帽です!!


HAL's Hearing Report