《HAL's Hearing Report》


No.0053 - 2001/11/12

 T・K 様より


西東京市の片隅で機嫌良くサラリーマン暮らをしている音楽ファンです。音楽ファンといってもHALに投稿しているのですから、音響キカイにもある程度のめり込んでいることも否定できません。私がオーディオに関わったのは、ステレオ盤が出始めた頃、大好きだったモーツアルトを聴きたくて、親に内緒で家の電気蓄音機の改造に手を染めた中学2年の頃で、もうン十年のキャリアとなります。マァ、キャリアと実力は必ずしも一致するわけでもなく、相変わらずあれこれと煩悶懊悩の日々を楽しんでいるわけです。今回も、HAL上でSHEERなるものの噂を聞きつけ、好奇心を満足させるべく先週末社外に用務があったことをいいことにその帰路、川又さんを訪ねたということです。川又さんからSHEERを購入後、川又さんのよろしければ聴いて行かれてはという誘いに、拙いなあと思いながら試聴室前席右の椅子に座ってしまいました。先客の裕福な紳士然とした方が声楽を中心に試聴を進めて行かれるのを横で拝聴しておりました。結果は、前人がレポートされているとおりでしたが、自分の求めている音とは少し違うところもあり評価は?です。
で、SHEERの話ですが、効果はありました。大学生の頃アルバイトで某ホールの音響セッティングをやっていたのですが、たまたまナンシーウイルソンが来たときに最高のセッティングとなり、そのときのリハーサルで聴いた空気感に近いものが彼女の古いCDから聴き取ることができました。使用前は可もなし不可も無しといった音質のCDだったのですが、見直すことになりました。思うにSHEERはCD盤の表面状態を清浄にするか、もしくはなめらかな薄膜を形成することにより光の透過度を上げ、結果として読みとりエラーを少なくすることで、そのCD本来の情報をより正確に引き出しているということなのでしょう。いいかえれば、CDの能力はこれまで十分には発揮されていなかったということかもしれません。私のシステムは決してハイエンドといえる代物ではないのですが、それ故に読みとりエラーの低減が効果的だったのかも知れません。このあたりは、本当のハイエンドのシステムを駆使しておられるマニアの方の意見を伺いたいところです。
新しいCDでは、J−POPで打ち込み主体のものとか、ディストーションを使ったものなども、不思議に耳障りな部分がなくなる印象が強く、これまでより音量をあげて楽しめるようになりました。これで、娘どもの持っているCDもレパートリーに入ってくるものと期待がふくらんでいます。 詳しい試聴記は先人の方々が書いておられるので十分と思いますので控えさせて頂きますが、未体験の方々に試してみて損のないことを申し上げて終わりとさせて頂きます。拙文を読んで頂き有難うございました。HALで皆さんと声を交せればと期待しています。
最後になりましたが、SHEERを積極的に世に紹介し、私の手元までわたらしめオーディオの楽しみを広げてくれた川又さんに感謝します。


HAL's Hearing Report