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No.311 小編『音の細道』特別寄稿 *第37弾*
     「zoethecusを超えるラック Bronze が奏でる
      Stradivari Homageの魅力!!」

■ COPULARE TONBASENBAU BRONZE (予価180万円)がラックの常識を変える ■

1.私はなぜzoethecusにこだわってきたのか!?

98年9月25日zoethecusを最初に聴いて以来、私のオーディオラックに対する
考え方は大きく変わってしまった。それまでは合理的に体裁よく機材を収納
するものとして、せめて板の厚みが何センチで重量が50キロだ75キロだという
ヤマハのGTラックのように物量投入をすれば良いラックなのか、という時代が
あったものだった。むしろ、重量が数十キロもあるのだから…、という見方が
ラックに対する疑問点を払拭し、重量と剛性と物量がラックに対する音質評価
の尺度にもなり精神安定剤となっていたのではないだろうか。ところが…!?
http://www.axiss.co.jp/
それまでは私も前述のような箱型のラックを使用していたのだが、zoethecusを
聴いてから私のラックに対する概念と価値観が大きく変わってしまったのである。

いかに重量があり剛性が高くとも、アイソレーションを意識しないラックは
それを設置する床のコンディションに大きく影響されてしまうのである。
簡単に言えば、コンクリートの床に置いた場合と畳の上に置いた場合では
いくら重量があっても、いくらスチール製で剛性が高いと言っても各々の
場合で同じラックの音質が大変大きく変わってしまうということなのだ。

実際に私は75キロある木製の箱型ラックとzoethecusを比較して、そして
これまでにも持ち込まれた多数の海外製高級ラックと比較しても、zoethecus
を超えるものはなかったのである。しかし…!?

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

2004年8月某日、ドイツのCOPULARE TONBASENBAU社の製品を初めて目にし
実際に体験することで私が認識するラックの頂点が更新されたのである。
http://www.copulare.de/1024/index.htm

1990年に創業されたCOPULARE TONBASENBAU社はゲルハルト・ブランドル氏
が社長を務めているのだが、残念ながら詳細な情報はまだ入っていない。
webから英語のテキストを取り出して機械翻訳しようとしても、その文章
自体がうまく翻訳できないようだ。

そして、同社の製品の中で最新・最高のものとして開発されたのがBRONZE
シリーズであり、私はいきなりCOPULARE TONBASENBAU社のフラッグシップ
モデルを体験することになったのである。しかし、逆に考えればトップモデル
であるからこそ、zoethecusを超える存在として評価できたのではなかろうか。

http://www.copulare.de/1024/en/products/bronze.htm

これはメーカーのweb siteであるが、今回試聴できたのは三段シェルフの
ラックであり、パワーアンプ用の背の低いものはまだこれからということだ。
ここでセッティングする前に撮影したものが下記である。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/bronze.html

三本の支柱には独自の充填材が入っており叩いても完璧にダンピングされ
ていることがわかる。この支柱とフレームの仕上げについても写真では
中々高級感が表せないのだが、完全な手作りという雰囲気は十分に伝わって
くるものだ。支柱とフレームの接合点は溶接されており、これもまさに
ハンドメイドの仕事であり磨きこまれた表面が微細なクラック模様の渋い
光沢感を放っている。シェルフは見ての通りの金属板だが、写真ではわか
らないが奥の方が横幅が狭くなっている台形となっている。

写真ではシェルフ表面の質感をうまく表せないのだが、一枚ずつ鍛冶屋の
職人が叩き出して作ったのではないかと思われるような仕上げで、触ると
しっとりとした感触の金属である。材質は今のところ不明である。

その裏側には厚い皮が貼り付けられており、当然ダンピング効果を持たせ
るためだろうということが推測される。中央の25個の穴はデザインなのか
音質のためなのかは現在ではわかっていない。このシェルフを三本のスパ
イクと受け皿で三角形の木の棚板に乗せているだけなのである。

同社のwebを見ても各論でのノウハウを語っている項目は見当たらず、自分
たちの信じるオーディオラックの理想論という趣の文章である。zoethecus
のように内部を細かく紹介できる要素がないので解説は難しいばかりだ^_^;

とにかく聴かなければ始まらない。しかし、ここで多用しているzoethecus
の配置を入れ替えてということも大変なので、その手前に仮置きして何とか
つないで音を出してみた。すると…!? これは中途半端なセッティングでは
だめだ!! というインプレッションが力仕事を直ちに強要することになった。


2.Stradivari Homageを磨き上げる

この三段のラックの影響力を検証するために選択したのが下記のシステム
である。ここ最近は8N-PC8100を使用したX-01の音に惚れ込んでおり、SACDも
コンポーネント評価のテストディスクとしていよいよ活用され始めたものだ。
ここのところP-0sのシステムは休息日が続いている(笑)

  -*-*-*-*- Stradivari Homageリファレンスシステム -*-*-*-*-

 ESOTERIC G-0s ◇ESOTERIC 8N-PC8100◇    
     ↓
 ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync)
      ↓
 ESOTERIC X-01 ◇ESOTERIC 8N-PC8100◇  
      ↓  
 STEALTH Indra Balance Interconnect Cable 1.0m H.A.L.'s Special Version
      ↓   
 Viola SPRITO (AC DOMINUS) ■以上の三ユニットをBRONZEにセッティング■
      ↓  
 STEALTH Indra Balance Interconnect Cable 5.8m H.A.L.'s Special Version
      ↓  
 Viola  BRAVO 2BOX SET(AC DOMINUS) 
     ↓  
 STEALTH Hybrid MLT biwire Speaker Cable 5.0m H.A.L.'s Special Version
     ↓
 Stradivari Homage


zoethecusと比較して、間違いのないレベルの違いを確認してから数日…。
間もなく一千時間のバーンインとなる二本の8N-PC8100を使用しているが、
SACDの素晴らしさを私にしっかりと認知させたX-01でシステムエンハンサー
を二晩リピートさせて、いよいよ最初に聴きたいと思った曲がこれ。

先日もStradivari Homageでの演奏で聞き惚れてしまった諏訪内晶子 シベリウス:
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47から第3楽章:Allegro, ma non tantoをかけた。
http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/akiko-suwanai/index.html

「あ〜、これは!!」

はっと息を呑む驚きと、幸福感を感じてため息をもらすのが同時に私の
呼吸を乱した。冒頭の低音弦楽器群の勇壮なリズムが響く導入部、そして
センターよりやや左よりの位置に浮き上がる諏訪内のソロ。一分少々の演奏
から過去のzoethecusでの再生音との相違点を次々に発見していく。

まず、オーケストラ全体がStradivari Homageのフロントバッフルからふう〜っ
と漂い出るような音楽的幽体離脱という言葉を私は連想してしまった。
Stradivari Homageは以前のように奥行き方向に長く容積をとるデザインでは
なく、正面からの投影面積が大きく本体の奥行きは薄いデザインだ。そのため
に従来のSonusfaberのラインアップに見られたような音場展開が苦手なのでは、
という危惧をもたれる方もあるだろうが、今日の演奏は完全にその危惧を払拭
しているのである。オーケストラの多数の楽器が個々にその音源位置を聴き手
に認識させることなく見事に空間に広がる。というよりも、私に向かってせり
出して来るような、立体的な音像表現が素晴らしいのである。

特に諏訪内のソロは素早い切り返しのアルコで高音部を演奏すると、彼女の
シルエットの輪郭を背景から浮かび上がらせるようにして描くのである。
同じスピーカーがラックの違いによって三次元的な表現力を身に着けるとは
一体どういうことだろうか!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

数分間聴き続けていると、過去の記憶との次なる相違点がじわじわと私の
脳裏に這い上がってきた。

「待てよ!? この質感はzoethecusと確かに違うぞ!!」

そうだ、簡単に言えば色彩感が濃厚になったんだ!! ここで私はあるビジュアル
を思い出した。ヴァイオリン職人が作品を仕上げるまでのドキュメンタリーを
ハイビジョン放送で見たことがあるのだが、その職人独自のニスを何度も塗り
直していく過程だ。Sonusfaberのオマージュ・シリーズの一連の作品も同様な
仕上げを行っているものだが、あの色合いと光沢感は一度の塗りで出来るもの
ではない。その番組では三回目、五回目、七回目、そして十五回目の完成まで
ニスを塗る工程のたびに独特の色合いを深めていく変化を映し出していた。

本当に二・三回程度ではまだまだ白く見えていたヴァイオリンのボディーが
次第に渋い光沢感のあるレッドに変わっていくのである。今ここで聴いている
録音で彼女が演奏しているのが1714年にAntonio Stradivari “Dolphin”である。
300年を経過する歴史の中で豊潤な色合いが備わったことだろうが、今聴いて
いる諏訪内のヴァイオリンの色彩感がニスを完全に十五回塗り終わった仕上が
りのものすると、これまでzoethecus聴いてきたものはまだ八回くらいの色で
はなかったのかと思えてくるのである。

なんともあっけなく昨日のベストが更新されてしまうということを、コンポー
ネントやケーブルでは何回も経験してきたが、それがラックというアイテムに
おいても同様に実感されるは衝撃的であった。

私はコンポーネントの評価には多種多様な選曲で試聴するのだが、気が付いて
みるとMOSQUITO NEOとStradivari Homageがやってきてからは必ずオーケストラ
を聴くようになってしまったようだ(^^ゞ

セミヨン・ビシュコフ指揮、パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カルメン」
の両組曲から(PHCP-5276)いつものように1.前奏曲8.ファランドール10.アラゴ
ネーズ15.ハバネラといつものトラックを一通り聴く…!? ここでも同様だ!!

最近ちょっぴりご無沙汰していた選曲でゲルギエフとサンクトペテルブルク
・キーロフ管弦楽団・合唱団「くるみ割り人形」これも同様だ!!
http://www.universal-music.co.jp/classics/gergiev/valery_gergiev.htm

歴代のオーケストラによる課題曲をどんどん聴きなおしていくのだが、どれ
をとってみても前述の変化が感じられる。ラックによる支配力は帯域ごとの
量的な変化というよりは、楽音個々の濃密さと解像度が支える空間提示の
描写力が価値観として感じられるのである。そして、それらの変化のベクトル
は、同じコンポーネントを使っている場合にはケーブルが果たす役割は違うと
ころで作用しているということだ。このラックによる違いを他のアイテムで
同じように表現するのは不可能であろう。

それだけにラックの重要さを再認識するものであり、ここにStradivari
Homageがやってきてからというもの、現在の音質が最高のものになったと
いう喜びがある。一ヶ月前まではNEOにおいて様々な方法でそのパフォー
マンスを引き出してきたが、ここしばらくはStradivari Homageをいかに
鳴らし込んでいくかという音質的な成長が著しいものだ。

Stradivari Homageの潜在能力とは、まだまだ引き出す可能性がある。


4.スタジオ録音をStradivari Homageで極めると

オーケストラの空間提示と質感の向上が未体験のラックによって確認でき
たというあとに、私は数曲のヴォーカルでスタジオ録音の再現性を確認す
ることにした。Stradivari Homageは作者の感性でヴァイオリン以外の
楽器でも素晴らしく楽しませてくれるものと以前にも述べているが、今日の
ラックによる変化は音像のフォーカス、ディティールを確認しやすい録音
ではどうなるのか、というチェックポイントが残されている。

「Muse」からフィリッパ・ジョルダーノ 1.ハバネラをかけることにした。
http://www.universal-music.co.jp/classics/healing_menu.html

「えー!! そんなに〜!?」

直ちに今の衝撃を確認せよ、ということで大貫妙子の“attraction”
から5トラック目ご存知の「四季」をX-01にローディングした。
http://www.toshiba-emi.co.jp/onuki/disco/index_j.htm

「おー!! やっぱりそうか!!」

私は常々音像のフォーカスがジャストになればなるほど、ヴォーカルの
口元のサイズが縮小したり楽器の音源とおぼしきシルエットが小さくなる
ほどにエコー感とのセパレーションが鮮明になる。その貢献が音場感の拡大
として感じられるものと述べてきたが、大貫妙子のヴォーカルが始まった直後
にシステム全体の評価方法に誤りがなかったことに気が付いたのである。

これまでの何年間zoethecusで大貫妙子を聴いてきたことか…。それらの
膨大な記憶の中で、いくら検索しても今BRONZEで聴くような広大な余韻感と
引き絞られたフォーカスの彼女はなかった。BRONZEで鳴らし始めたStradivari
Homageが聴かせるヴォーカルは甘美な余韻を漂わせ、もしエコー感に重さが
あったとしたらそれを百分の一に軽くしたように空気中を優雅に漂わせるの
である。こんな大貫妙子は聴いたことがない。私の腰をソファーに接着して
しまったように、演奏に聴き惚れ時間の経過を忘れさせてくれる。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

突然として表れたBRONZEは吟味したコンポーネントとケーブルという昨日
までのシステムという自信作を見事に打ち砕く威力を見せ付けながら、
実は私がコーディネイトしたシステムにはこれほどの潜在能力があったと
いう新しい発見も提供してくれた。

予定価格は何と180万円、一体年間に何台が売れるだろうか!? という思い
がよぎるのだが、その演奏を体験してしまうと戻れないということも私に
思い知らせてくれた。ラックによる音の違いを店頭で実演するのは本当に
大掛かりなものにっなってしまうのだが、ラックによって起こる奇跡、
いや真実を知りたいという方が申し出てくれれば、重量級のコンポーネント
を何回も持ち上げ置き換えて比較試聴も実演しようという気力が湧いてきた。

2004年は素晴らしいスピーカーと出会い、素晴らしいケーブルともめぐり
合い、そしてそれらを包括するラックに新たな可能性を発見した。
ここでBRONZEを実演できることを私は大変大きな幸運として受け入れ、
またBRONZEを体験された皆様にも新たな可能性を提供できることだろう。

写真では決して伝えられないBRONZEの高級感、それは外見だけではなく
皆様が聴かれる音楽の中にこそ表現されるものと最後に申し上げたい!!

             さあ!! どうぞ、ご来店ください<m(__)m>



このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.co.jp
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