発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明


No.293 「なんというガセネタ!!
     そんなはずないでしょう? Nautilusは?」

実は、このニュースはインターネットでも話題になり、かつ次のような
会員からも私に問い合わせのメールが来ました。

「オーディオアクセサリー誌136頁ごらんになりました?
 会社の近所の本屋で昼休みたち読みで何気なくぱらぱらと頁をめくっていたら
 ノーチラスの写真が目にとまり「中国でもノーチラスかぁ」なんて思いつつ
 写真下の文を読んでびっくり。

 なんとオリジナルノーチラスの縮小版?!

 以前より弟機は作らないといっていたようでしたが、ついに出すんですかねー。
 写真の中に比較できるものがないので(編集者のなんと気の利かない)どの
 くらいの大きさなのかわかりませんが、外観はまったく同じ。

 パッシブネットワークを台座に内蔵とのこと。

 HALではNEOの話題でもちきりですが、やっぱりオリジナルノーチラスも
 すばらしいですよね(すみませんNEO聴いてませんが。)

 500万円にアンプ4台そしてそれなりの空間のある部屋と導入するのはまったく
 夢のまた夢ではありますが、それがどうにか手の届くものになったらと、期待
 はふくらみます。ガセネタでないことを祈りつつ、何か情報ありましたらHAL
 通信で教えてくださいね。」

というものでした。了解しました。本当のことを申し上げれば、まったくの
ガセネタであり、事実無根です。さて、当事者であるマランツにも私から
確認を取っていますので、マランツ担当者のコメントを貼り付けておきますね。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又様

ご無沙汰しております。

昨日まで中国(トンガン)に行っておりました。

お尋ねの件、連休前に私は上海に上海ハイエンドショウ視察に行っておりました。
来年から私は上海ショウでもサウンドデモを行わなければならないようです。

ところで、添付されたホームページは、上海ショウのものです。
確かにハイエンドショウの建物の正面玄関口に(B&Wブースとは別)
にオリジナルノーチラスがモニュメントとして置かれていました。

ご安心ください。
これは全くの量産品で、ケーブルは邪魔なので丸めて隠してありました。
どうしたらこのような誤報が流れるのでしょうね。
私が実際に見てきて、またB&Wの連中とも話をしてきておりますので
間違いありません。

よろしく

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ダイナミック・オーディオ川又様

日頃は大変お世話になっております。

下記のお問い合わせですが、オーディオ・アクセサリーの上海ショーの件ですね?

B&W ASIAの人間に確認したところ、ショーでディスプレーされたものは、
「普通のノーチラス」でネットワーク内蔵型の開発の話なぞ全く聞いていないし、
したことも無いそうです。

先日、B&Wのビジネス・ディベロップメント・マネージャー(相当に高いポジ
ションの人間)が来日した折に、2006年までの新モデル開発プラン(ローエ
ンドからハイエンドまでの全てのモデル)のプレゼンを聞きましたが、そのよう
なモデルの話は全くありませんでした。

何かの勘違いではないかと思われます。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

と、いうことで日本マランツのB&W担当者二名から上記のような回答を既に私は
もらっているものです。そして、Nautilusがなぜパッシブ・ネットワークで
作れないのかということは、下記の随筆で次のように解説している。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto39.html

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

4ウェイのクロスオーバー周波数は、220Hz、880Hz、3・5キロHz、
とほぼ2オクターブごとに設定されており、スロープ特性は18デシベル/オク
ターブとなっている。

このチャンネル・ディバイダーは、帯域分割という基本機能に加えてノーチラス
専用とするために新たに二つの機能が追加されたのである。

一つはウーファー用ローパスフィルターにおける周波数特性の補正だ。ウーファ
ーの背面放射を消滅させるというトランスミッション・ロッドの原理により、ウ
ーファーは極端なオーバーダンプ特性を示し、6デシベル/オクターブのスロー
プで低域レスポンスは減衰しているのである。

一般的なスピーカーでは、この低域再生をエンクロージャー設計によって増強補
強しようとしている理論とは全く好対象と言える現象である。しかも、その増強
補強を実行した副産物として特定のキャラクターが発生し、それを補正するため
の手段が更に必要になるという実態がある。

しかし、ノーチラスの低域特性は全くきれいなスロープを描いて減衰してしまう
ので、6デシベル/オクターブの逆特性で低域をブーストすることになる。だが、
計算されたエレクトロニクスの手段によってブーストされるのだが、その逆特性
に特有のキャラクターは発生しない。

量よりも質を追求したノーチラスの低域がそこにあるのである。 この逆特性は
10Hzにおいて20デシベルのブーストを行っており、 パイプオルガンの最
低域からサブソニックのレベルまでもレスポンスを得ているのである。

ここまでは私も既に知っている事柄であった。そして、もう一つの機能は、オペ
・アンプによるアナログ・ディレー付きのリニア・フェイズ・フィルターという
構成になっていることである。

従って、ディレーを組み込むということは、遅延させるための基準周波数と、何
マイクロセカンド遅らせるのかという時間軸においての偏差が知りたかったので
ある。残念ながら輸入元に聴いても、ノーチラスに詳しいと言われる評論家に尋
ねても明確な答えは得られなかった。

基本設計を依頼されたダゴスティーノ氏ならば知っているのではないかと思い、
そこを質問したのだった。しかし、さすがの室井専務も、この通訳はかなり難し
かったようで、「ディレーがかけられる基点の周波数は、どうやら1キロHzら
しいよ。」と、何度も確認しながらの答えを日本語で伝えて下さった。
「そうか、1キロHzということはミッドハイ・ユニットが受け持つ帯域だ。
おそらくは波長を考えても、そこから上の帯域に向けてディレーが働いているん
だろう。」と私は頭の中で考えをめぐらせる。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

このように専用のチャンネルディバイダーが行っているのは帯域分割だけで
なく低域補正と中高域のディレーという特殊な機能があるということだ。

このようなNautilusの根本的な設計原理を知っている私からすれば到底
実現不可能であるということもわかるし、第一そのような希望的観測による
質問は何年も前にB&Wに私が行ってNo!! という回答をもらっていたものだ。

雑誌もメーカーに確認を取ってから掲載すれば良いものを、何たるガセ
ネタで人騒がせなことでしょう。第一、そんな動きがあれば先ずは私の
耳に入るものです。

どうぞ、皆様ご安心ください。良い意味でNautilusは完成されているのです。



このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
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