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H.A.L.担当 川又利明


No.162  「今明かされるKOMRIの実力…!?Four Five H.A.L.のレポート第二弾!!」
9/4のことでしたが大幅なスピーカーのレイアウトを変更し、8/24のイベント で消化不良の演奏を残念に思っていたスピーカー二つKRELL LAT-1、そしてLINN KOMRIを再度セッティングし直し本来の魅力を引き出そうと入念な調整を行った のです。そうしたら…。
正直に言って私も経験がない音がKOMRIから発せられたのです。 このセッティングのラインアップは以下のシステムで構成しました。 トランスポートは当然ESOTERIC P-0s、D/AコンバーターはMARKLEVINSONの NO.30.6L、プリアンプは同じくNO.32L、パワーアンプもNO.33Lというシステム です。ケーブルはPAD DOMINUSを使用しており環境としてはzoethecusをフルに 使用しています。ちょっと画像を用意しましたのでどうぞご覧下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/010905/komri-lat1.jpg

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さて、まず私が何に衝撃を受けたかというと、定番の大貫妙子の一曲でした。 1999/2/24 に発売されたアルバム「attraction」(TOCT-24064 )の中の5曲目
http://www.toshiba-emi.co.jp/onuki/disco/attraction/index_j.htm
「四季」をいつものように聴き始めたその瞬間でした。KOMRIは二つの25セン チ・サブ・ウーファーをサーボコントロールし内臓の1.400Wのパワーアンプ が120Hz以下で受け持っており、その上から200Hzまでをミッドバスが担当 しているのだが、この低域の解像度を的確に表現してくれたのがイントロに 登場するウッドベースのピッチカートである。いつも申し上げるがキャビネ ットの内容積を細工して低域を補強・増強しようとするものではなく、的確に サーボ量をコントロールしているのか、きりりと引き締まったテンションの きいてベースを苦もなく再現してしまう。

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そして、始まった彼女のヴォーカルに驚嘆してしまった。こんな…こんな 質感の大貫妙子を聴いたのは本当に初めてである。とにかくスムーズで あり、しなやかであり、声の質感としてはこれ以上はないというくらい 素晴らしいのである。サ行の発音がヒステリックとか、声を張り上げて 歌うと刺激やストレスを感じる…なんてことは、このKOMRIを一度体験 してしまったら「それって、どこの世界の話し??」と思いたくなるような すこぶるつきの“美声”が録音の通りに発せられてくるのである。

音場感はオリジナル・ノーチラスに譲るとしても、私はこの魅力には ノーチラス以外のスピーカーを推薦する根拠として自信がもてるだけの 説得力を感じることが出来た。さぁ、それを一刻も早く皆様にお伝えしな ければ…、と思いっていたら…。そのチャンスがやっと今日出来ました。
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1972年11月24日イギリス北西部マンチェスター近郊のサルフォードに生まれ。 現在28歳。子供の頃は、サッカー好きなごく普通の少年だった。 ラッセル曰く、サルフォードの子供は将来「サッカー選手」になるか「ミュ ージシャン」になるか、はたまた「工場で働くか」という選択肢だったそう。 父親が工場で働いていたこともあり、周り(典型的なイギリス労働者階級) からは、ラッセルも将来は工場で働くもの、と思われていたが、エンターテ イメントと歌に憧れていたラッセル少年はミュージシャンへの道をあきらめ なかった。

十代の頃地元ラジオ局のタレント・コンテストで400人の参加者の中勝ち 抜き優勝を飾る。 16歳でマンチェスターのエンジニア会社に就職し、仕事 の傍らクラブやホールで歌を聴かせていた。マネージャーとふたりスーツと スピーカーを持って車で会場へ向かう毎日。ある日労働者の集まるクラブで のステージの最後にプッチーニの歌劇《トゥーランドット》の〈誰も寝ては ならぬ〉を歌った。この手のクラブでオペラ・アリアが受けることは難しい ものだが、ラッセルは大絶賛のスタンディング・オベーションを受けた。

これが彼の成功の始まりだった。
マンチェスターのホテルでのチャリティ・ショーに出演した時、会場に来て いたサッカー・チームのマンチェスター・ユナイテッドの重役、マーティン ・エドワードが感動し、ユナイテッドの試合で歌ってくれと依頼する。 試合開始直前に披露したラッセルの歌声はスタジアムに集まった数万人の 観衆の心を捉え大歓声を浴びた。

その後、99年ラグビー・ワールドカップや、サッカー・ユーロカップの ファイナル・ゲームなど大きな大会で歌ったり、クリフ・リチャードのコ ンサートのスペシャルゲストとして出演するなど、大センセーションを巻 き起こした。

そして2000年9月にイギリスでリリースされたデビュー・アルバム『The Voice』はポップ・チャートでTop5を記録、クラシック・チャートでは 16週連続No.1を獲得。11週連続ポップ・チャート20位以内ランク・インを 記録し、既にUKで70万枚を超える大ヒットになっている。

オペラの名曲をはじめ、フレディー・マーキュリーの「バルセロナ」、 ウルトラヴォックスの「ヴィエナ」、ポール・サイモンの「明日に架ける 橋」などロック/ポップス・ナンバーまで幅広く歌いこなすラッセル。 アルバムでは、ショーン・ライダー(ハッピー・マンデーズ)、モイヤ・ ブレナン(クラナド)、クレオパトラ・ヒギンズ(クレオパトラ)らの アーティストとともに、ジャンルを超えた名曲を七色の歌声で見事に歌 い上げている。

http://www.universal-music.co.jp/classics/watson/index.htm

これが本日KOMRIでのテストで新しく私のテストCDに加わったラッセル・ ワトソンの『The Voice』(UCCD-1029 )である。この冒頭の一曲目「Nella Fantasia」はオーケストラをバックに時折重厚なドラムが響き渡る。 しかし、KOMRIのサブ・ウーファーはその重厚さを生かしながらキャビネ ット内部でエネルギーを蓄積することがなく見事なスピード感で堂々と オーケストラのスケールに一致するドラムをこともなげに再現する。 そして、まぁワトソンのヴォーカルが遠めではありながらすっきりと 口元の核の陰影をセンターに浮かべながら展開するのである。

ああ…、この爽快さと滑らかさはどう表現したものか…

そして、パバロッティーの十八番とも言える「カルーソー」が3曲目に 入っており、私は聴きなれたフレーズをプレビューしながらスキップ させた…。

イタリアのバラード・シンガー、ルチオ・ダッラの曲で多くのシンガーが 取り上げた名曲だが、訳詩を読むとこてこてのラブソングである。しかし、 ソレント湾を舞台として船のスクリューの航跡にアメリカの夜をイメージ し語り合う恋人たちの心境はずっしりと手ごたえをもって胸に響く素晴ら しい曲である。それをイギリス北西部マンチェスター近郊で生まれたワト ソンが見事なイタリア原語で歌い上げる様を、これまたスコットランド 生まれのKOMRIはシルク・ソフトドーム・ドライバーの4ウェイでとにかく 心地よく、そして聴く人に解像度の素晴らしさを強調することなくさらっ と聴かせるのである。オペラ歌手の本領を発揮するファルテにさしかかっ ても、その質感に緊張感が付加されることもなく、何ともみずみずしい ヴォイスが展開する。「ああ〜、こんなスピーカーが欲しかった…」と 思わず私は心中で狂喜の言葉を壊れた蓄音機のように繰り返していた。

自らの発声に誇張感を持たないKOMRIはヴォーカルはもとより、すべての 楽音に対してメカニックが再生しているという質感を排除した稀有なスピ ーカーであることが、ここH.A.L.のフロアーでのセッティングで実証された。

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そして、次の曲を…、と思った私は思わず「いらっしゃいませ!!」という 職業的に発する現世界での自分の声に我に帰る…。ああ、お客様だ(T_T)/~~~

当然、ご来店いただいてうれしいのだが、私ひとりで楽しむという贅沢は この辺でいったんは終わりのようである…。
しかし、ここに来店された皆様には許される限りの時間で自由にKOMRIを 最上のセッティングで堪能していただくことが出来ますよ!!

KOMRIを聴いてしまうと、皆様の頭の中はどうなるか…??

ABC順に並べて読み上げることが出来る世界中のハイエンドと言われる スピーカーの数々…、それらを聴いた皆さんの記憶が瞬間にして削除され KOMRIという消去不可能な鮮明でありやさしい演奏のファイルがポンッと 皆さんの「マイドキュメント」に保存されることでしょう!!

どうぞ、皆様H.A.L.に来店されてダウンロードしていかれる感動は一切 無料です。皆様の優秀な耳というメモリーをもって、ここにいらして下さい。 きっと、言葉で言い尽くせぬ気持ちいい〜気分と将来のターゲットを 手土産に差し上げられることでしょう!!

それでは、Four Five H.A.L.で私とKOMRIがお待ちしております…(^_-)-☆

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いや、実はもう一枚ご紹介したい素晴らしいCDがあるんですが、ちょっと
時間切れになってしまいました。ヒント/ホセ・カレーラスが1987年に
一度レコーディングした名曲です。これを何と65歳の女性シンガーが
カバーしたものです。これでわかったら、凄いですよ!!
もし、わかった!!という方がいたらメール下さい。そして、明日からの
ご来店の皆様には実演を持って答えを差し上げます。お楽しみに。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココの(5)です。お気軽に遊びに来てください!!

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