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H.A.L.担当 川又利明
    
2017年9月18日 No.1420
 H.A.L.'s One point impression!! - H.A.L.'s E.S.Insulator

H.A.L.'s E.S.Insulatorをセッティングしてから間もなく一か月経ちますが、
下記のシステム構成にて熟成を続け以前にない味わいをもって演奏しています。

◇ H.A.L.'s Sound Recipe / H.A.L.'s E.S.Insulator-inspection system ◇
http://www.dynamicaudio.jp/5555/7/H.A.L.'s_Sound_Recipe_H.A.L.'s_E.S.Insulator.pdf

H.A.L.'s E.S.Insulatorの第一の機能である静電気絶縁ということにポイントがあります。
今までにも他社アクセサリーで静電気を放電させるという商品は何種類もありました。

しかし、放電させるということは、また帯電してしまうということと同意義となります。
それに対してH.A.L.'s E.S.Insulatorはセッティングしてから一時間程経過すれば
コンポーネントが帯電する環境から絶縁してくれるという事が今回、世界初という
ことが実際の音質で実証されたのです!!

既にE.S.Insulatorは当フロアーで使用開始しており、上記の検証システムにて
ご来店頂いた皆様には聴いて頂いていたのですが、前述のストーリーに関しては
一切説明して来ませんでした。語らなければ、そして取り外して比較試聴しなければ
E.S.Insulatorの効果はご理解頂けないでしょうが、皆様には既に最高レベルの
音質にて聴いて頂いていたということです。

一か所に使用して未体験の効果に驚き、これだったらここにも使いたい、こちらにも
妥協なく使いたいということでESOTERICのコンポーネントと電源部の合計11台全てに
合計44個を使用したシステム構成となっています。

E.S.Insulatorは青い樹脂系素材で本体が構成され、その底面を円形にくりぬき
電子機器の基板の素材であるベークライトの円盤を組み込んで作られています。

この両者の接合に関しては接着剤は一切使わず、極めて精密な加工により機械的な
嵌合によって組み立てられています。職人技と言える加工精度の高さによって
この両者はきっちりとはまり込み取り外すことが出来ないほどの素晴らしい整合性で
作られているということを是非お伝えしたかったものです。

さて、日頃の営業、相次いで持ち込まれる新製品の試聴などなど多忙を極める
この頃ですが、セッティングして日数も経ち熟成したE.S.Insulatorをじっくりと聴き、
皆様にその素晴らしさをお伝えできる時間がやっと作れたのでした。

今まで既に多数の曲で試聴してきましたが、このようなアクセサリーの効用を
的確に聴き分けて説明するのにふさわしい選曲は何かと考えてきました。

スタジオ録音で音像が鮮明であり情報量としての空間表現が多彩に発揮されていて、
ピアノ、管楽器、弦楽器、そしてヴォーカルという多数の音楽で最大公約数的に
分析できる楽器を含み、それらがアコースティックなひとつの空間として、高品位であり
センス良くまとめられている録音として次のディスクを選びました。

大貫妙子の「pure acoustic」【最新リマスター/SHM-CD仕様】です。
http://www.universal-music.co.jp/onuki-taeko/products/upcy-7097/

更にこのディスクから試聴に適した三曲を選抜し、E.S.Insulatorの使用前・使用後と
いう単純な比較試聴を行いましたが、一曲ずつセッティング変更しますので作業には
手間がかかりました。これも私のこだわりなのだから仕方ないと自分を納得させて
数時間をかけての試聴です。

ただし、事前にお断りしておかなければならないのは、この検証システムの音質に
関しては近年の私のリファレンスとして重用しているものであり、使用前・使用後の
私の感想を述べたとしても、使用していない状態の音質に関する品位と完成度の高さと
いうことに関して大きな自信を持っているものであり、決して特定のアクセサリーを
使用しないと推薦に値しない音質というものでは絶対にないということです。

優秀なアクセサリーはオーディオシステムの潜在能力を引き出してくれるものであり、
不満足部分を補完し補ってくれるというものではないからです。同時にシステムに
対するチューニング手段を用いた際に、その変化に対して鋭敏に反応すること自体が
システムの基本性能の優秀さということでご理解頂ければと事前にお断りしておきます。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

いつものように先ずはE.S.Insulatorを使用せずに課題曲を聴き、比較検討用の
音のテンプレートをしっかりと記憶に留め、重量級のESOTERICコンポーネントを
持ち上げてE.S.Iをセットする。

実はESOTERICの各コンポーネントには標準装備としてPin Point Footとして単売
されていた下記のPF-1と同様なフットが装備されていて、それ自体で振動対策を
施した設計となっている。
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/pf1/index.html

そして、付属品としてフットの下に貼り付けるフエルトも同梱されており、
セッティングする環境に対してチューニングできる細かい配慮がなされている。

このフットが取り付けられている5mm厚のボトムプレートに直接E.S.Iを当てがって
セットします。しかし、一般的にはガタツキが発生しない三点支持が有利とされるが、
4個を使ってのセッティングでもE.S.Iを使ってみると一切のガタツキは発生しない。

前述のインシュレーターの解説で硬質素材の[A]と述べていた種類には上記のPF-1
同様の純正フットも含まれるのだが、ちゃんと高さ調整が出来るようになっている
ので標準フットでもセッティングには困らないのだが、E.S.Iも同様だ。

E.S.Iは青い樹脂系素材で作られているが、その素材そのものに微妙な柔軟性が
あるようで、20キロから30キロあるESOTERICコンポーネントを乗せるとしっくりと
落ち着いて四点支持でもガタツキが発生しないという事。そして、事前に試聴した
結果でも音場感の優位性が四点支持にて認められたという事を追記しておきたい。

さて、最初の課題曲は 1.雨の夜明け です。上記の要領でE.S.Iをセットしてスタート!!

溝口肇のチェロ、中西俊博と藤原真のヴァイオリン、久保田明宏のヴィオラ、
そして野中英士のコントラバスの弦楽セクションのアルコが一斉に奏でられ、
そこに清水靖晃のクラリネットがセンターに浮かび上がり約40秒間のイントロが
始まった。もう、ここから違うのです!!

各弦楽器の音像の中心点に奏でる音色の原色となる絵具を更に一滴垂らしたように、
楽音の核というか音像の中心点にくっきりとした音の濃密感が感じられ、その
周辺に拡散していく余韻感に求心力を与えたような解像度の高まりを示す!!

その変化はクラリネットのリードのバイブレーションが克明になったことで証明され、
管楽器のソロパートが空間に浮かび上がるための揚力を与えたがごとく、響きの
連鎖が空間にグラデーションを長く、更に長く響き渡るために演奏空間の空気を
浄化したような清涼感を発揮し始めたのだから驚く!!

わずか40秒間のイントロだけで静電気絶縁というE.S.Iの効果に驚きつつ、更に
過去の経験からの回想が脳裏をよぎる。

前述のインシュレーター[A]として分類したハードポイントの振動対策を行う製品を
実験したことがあるが、その時にはただただ音像の絞り込み現象があることは確認
したが、響きの長さ余韻感の空間の大きさという点では減少傾向があったことに気が付く。

何を言いたいかというと、E.S.Iによる音像のダイエット効果はフォーカスが見事に
絞り込まれた後に、その楽音の中心核とリヴァーヴによる余韻感とのセパレーションが
以前にも増して鮮明になり、楽音の消滅時間そのものを未体験の領域で拡大するという
見事な音の体質改善を実現しているということなのだ!!

その証拠は約40秒の長いイントロが終わって大貫妙子のヴォーカルが入ってくる
時点で更に確認できる。今までアルコで演奏していた弦楽器がヴォーカルの登場と
ともにすべてがピッチカートに切り替わる。

五人の弦楽奏者が大貫妙子の背後で奏でるピッチカートの音像そのものがスリムになり、
その分各パートの間には空間が広がるようになるのだが、そこに揺蕩うような弦を
弾いた後の残響が拡散領域の拡大を行い、すーと空気に溶け込むまでの響きの残照を
しっかりと提示する変化に私は唸った!!これは美しい!!

伴奏楽器の変化がこのアルバムタイトルの本意を伝えるような感動的な浄化作用を
もたらしたことで、ヴォーカルの変化も予想通りの展開となる!!結論は美的な響き!!

録音当時は35歳だった大貫妙子のヴォーカルは現在に比べれば(失礼!)瑞々しい
歌声で、しっとりした潤いある声質がスピーカーのセンターから左右両翼と視線を
30度ほど上向けた空間にまで素晴らしい空間展開で広がっていく。

今までは大貫妙子のヴォーカルが床上1メートルの高さで口元の輪郭を浮かべていたが、
E.S.Iによる初めての静電気対策の効果で1.5メートルくらいに定位する高さが変化する。

しかも、マウスサイズは見事に絞り込まれ、リヴァーヴの発祥地点に濃厚なマーキングを
施したように音像の凝縮が素晴らしく、飛翔する残響の滞空時間がぐっと延長される!!

SHM-CD仕様というハード的な記録法の進化もあるが、それは先程までにも十分に
感じていたことだが、伴奏楽器とヴォーカルの両方で質感がこれほどまでに変化
するとはどういうことなのだろうか!? 正に私でさえ未体験と言えるE.S.Iに舌を巻く!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

次は 3.横顔 で同じパターンの比較試聴をしようと決めていた。同じコンセプトの
収録曲だがチェックポイントが新しく追加出来るからだ。先ずは前回同様に未使用の
状態で目を付けておいたポイントを重点的に聴き、しっかりと記憶に留め、確かに
面倒な作業なのだがE.S.Iを再度セッティングしてセンターポジションに戻る。

一曲目で体験した進化のあり方が私が用意した比較ポイントでどう出るのか?
ひとつ息を整えてリモコンを操作した。

ここは私が何をやったのか先に言っておきましょう、使用前・使用後・使用前と
思わず同じ曲を三回も繰り返して聴いてしまったのです!!

この曲ではフェビアン・レザ・パネのピアノが加わっています。冒頭から約40秒は
センター定位のウッドベースとピアノが軽快なリズムを刻みヴォーカルを招き入れ、
その後は左にヴァイオリン、右にチェロ、そしてユニークなのはセンター後方で
久保田明宏のヴィオラがギターのようなストローク奏法での伴奏という展開です。

前曲ではコントラバスと書きましたが、この曲ではウッドベースと書きたかった。
冒頭からセンターにくっきりと浮かび、リズミカルなピッチカートで奏でるベース
の質感が先ず最初のチェックポイントだったのです。

E.S.Iをセットして待ち遠しい思いでウッドベースの質感を比較したかった。
驚きです!!ベースの重量感が増加して沈み込むような深々した低音になった!!

しかし、重々しくなったからと言って音像が肥大して膨らんでしまう低音ではない!!
逆にピッチカートの弾いた瞬間の輪郭が鮮明になっているのだから驚いたのです!!

まるで私の両腕を左右スピーカーに指し向けて、砂場の砂を両手でかき集めるように
飛び散っていた低音を寄せ集め、スピーカーセンターに低音の山をふっくらと築いた
ように濃密なベースの質感に変貌していたのですから!!

そしてピアノ!!先程まで左右スピーカーの間に展開していたピアノの楽音に鮮度を与え
蘇らせたようにテンションを高め、一音一粒という打鍵の分離感を醸し出すE.S.Iの
威力に静電気対策だけではなく、Λ3.16で体験した電磁波対策という相乗効果を
極めて自然な質感の提示という離れ業で聴かせてくるのですから更に驚きました!!

そしてここでも、ヴォーカルの美的変化に前曲同様に感動してしまいました!!
変化の方向性は前回同様ですが、フォーカスが鮮明になり余韻感が増長することで
透明感が倍加する快感は理屈ではなく感性に訴えかけてくる本能的な美意識の開眼と
言えるほど私の胸を熱くする歌声!!

この部屋の空気にある響きの浸透圧にぴったり一致した余韻感をこともなげに発する
ようになったHIRO Acousticの素晴らしさを再認識させられたのです!!参りました!!

そのヴォーカルをはさんで左右から展開するヴァイオリンとチェロの掛け合いの伴奏。
中間定位ではなく左右スピーカーのオンアクシスで定位する弦楽器の質感に更に注目!!

程よいリヴァーヴで響きを拡散する両者の質感が実に滑らかに艶やかに変化しているのはなぜ!?
研ぎ澄まされた音色の中にも微妙な摩擦感を湛え、くっきりとした音像でありながら
その中身に霧吹きで水分補給させたようにしっとりとした質感に思わずニンマリする。

これだったら絶対オーケストラを聴いたらはまってしまうこと間違いなし!!

そして、E.S.Iを使用して起こった変化がもう一つ。同じ曲なのに無意識のうちに
私の足が動き出してリズムを刻みながら聴き始めてしまったのです!!

低域方向での質感の変化、ヴォーカルと弦楽器で更に確信が深まるE.S.Iの威力。
待てよ! この変化のベクトルは以前にも経験したことのある方向性ではないか!?

たった2チャンネルなのに三次元的な展開を見せる見事なE.S.Iの貢献度を、多くの
ユーザーに推奨するために最後の一曲で使用前・使用後の最小公約数的なチェック
ポイントを見つけなければと再びE.S.Iのセッティングをするために席を立った。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

最後の選曲は 7.突然の贈りもの です。4分28秒のこの曲は最初の三分間はピアノ
とヴォーカルだけのデュオ、それから40秒間の間奏でウッドベースと清水靖晃の
アルトサックスが加わり、その後にヴォーカルが戻ってくるという展開の一曲です。

ただし、この曲では使用後・使用前・使用後という順番で三回聴きました。
前曲までの試聴で感じてきた変化の方向性は既に私の頭の中ではひとつのプログラムと
して定着してしまい、もうE.S.Iなしでは聴けない状態に陥ってしまっていたのです。

冒頭から三分間のピアノ伴奏だけのヴォーカルをじっくりと聴き、長年に渡って
聴き続けてきた音楽に新た感動をもたらしてくれたE.S.Iの登場に感謝し、開発者の
河西さんにおめでとうございます! と改めてお伝えしたい心境となっていた。

さて、E.S.Iでの最初の試聴が終わり、今度は逆に取り外して席に戻りリモコンを手に取る。
すると…!?

「突然の贈り物…」という最初の一節が始まった時に私は愕然とする!!

あ〜、だめだ! ヴォーカルの音像面積は二倍くらいに肥大化し、口元と分離していた
リヴァーヴ成分と境界線はなくなったようで茫洋とした歌声が曇って聴こえてしまう。

ヴォーカルと同じ音階をたどるピアノは不思議と左右に広がって展開するのだが、
その一音一粒の分解能は減じられてテンションが急降下している有様。これはいかん!

三分後にやってきたウッドベースには覇気がなく、スローテンポな演奏においても
弦が弾かれる瞬間からの立ち上がりにダルな雰囲気がはらんでいる。

アルトサックスの囁きのようなパートはヴォーカル同様に白いベールに包まれた
ように変質し、タンギングの鋭さが甘くなり歯がゆい音色に微妙な忍耐を要する。

シンプルな小編成の演奏だけに個々の楽音における解像度が低下すると、それらが
発揮していた音場感の美しさに対して曖昧さが表れ、E.S.I無しでは欲求不満となる!!

これはいかん!! 最後の確認でE.S.Iをまたまたセットし直すと…!?
そうです、ここでひらめいたのです!!

この変化のベクトルは以前にも経験したことのある方向性ではないか!?
と先ほど述べましたが…。

私の頭の中にある引き出しからあるファイルをさっと引き出しました!
それは、何とBlack Ravioliでした!!

Black Ravioliは平面でコンポーネントと接して、ラックの棚板とも面接触させ、
以前に述べたように前述のインシュレーター[A]と[B]の両方のメリットを持ち、
低域の解像度を上げながら中高域に滑らかさをもたらすという振動対策の新機軸と
いうインシュレーターの常識を書き換えるものでした。E.S.Iも面接触です!!

今回、私はE.S.Iを上記の三曲だけではなく多数の課題曲で試聴し、E.S.Iの青い
樹脂系素材が同様な振動対策の効果を持っているのではないかと思いつきました。

そして、前述のように静電気絶縁と高周波・電磁波対策というE.S.Iの開発意図が
相乗効果として、振動制御を含む三要素の対策で作り出した成果ではないのかと!!

HIRO Acousticという近代稀に見る鋭敏なスピーカーと、ESOTERICというソース
コンポーネントとアンプに共通する思想で作られたエレクトロニクス、そして
最後にTransparent OPUSシリーズによる高品位な各種ケーブルと電源ケーブルに
アイソレーターというシステム構成が、Black Ravioli存続中にはなかったわけですが、
いま私は確信するに至りました!!

H.A.L.'s E.S.Insulatorは、多くのBlack Ravioli愛用者の皆様にも自信を持って
推薦できる三要素対策を実現した新アイテムであるということを!!

余談ですが、Black Ravioliで最も販売数が多かったのがトップモデルのBF-3でした。
これは一個¥50,000.であり、コンポーネント一台につき四個使用を推奨していました。
つまり、一台当たり20万円という商品だったわけです。

H.A.L.'s E.S.Insulatorはコンポーネント一台につき¥48,000.です。
そして、デジタル関係だけでなくアナログコンポーネントにも、各種電源アイテムにも
多様な使い方が出来ますので、是非皆様の手で色々な取り組みをして頂ければと期待しています!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

当フロアーのオリジナル商品H.A.L.'s E.S.Insulatorはハルズサークル会員に向けて
新企画としてご案内しています。

一体、H.A.L.'s E.S.Insulatorとは何なのか? そして、どんな新企画を実施するのか?

是非この機会にハルズサークルにご入会下さい!!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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