発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明
2015年10月1日 No.1256
H.A.L.'s One point impression!!-MSB Select DAC これは凄い!!
噂には聞いていたMSB Select DACは2015 Tokyo international Audio Show
にて一般公開されました。
http://www.msbtech.com/products/dacSelect.php?Page=../index

この実物は試作機であり来年から本格的な生産に入るという事で、今回の実機は
ショーが閉会したらアメリカの現地メーカーに返却することになっていた。

しかし、これを逃したら聴くチャンスはない。そして、同社のCEO & General 
ManagerのMr.Lawrence(Larry) S.GullmanもTIASのために来日しているので
直接ご本人と話が出来る機会が持てるということで、輸入元アクシスからの
提案もあり、遂にH.A.L.にMSB Select DACがやって来たのでした!!

■視認性の良いディスプレーだが音質には全く問題ないという優れ物。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150928-msb.04.jpg

■本体のフロント側上部にあるのはボリュームコントロールダイヤルのメニュー
 ファンクションの選択スイッチです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150928-msb.05.jpg

■同社のトランスポートと組み合わせていますが、アップサンプリングは
 しないで聴いて欲しいということでした。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150928-msb.06.jpg

■試聴にはもちろんHIRO Acousticを使いました。これがまた素晴らしい相性!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150928-msb.03.jpg

そのシステム構成は実にシンプル。パワーアンプ直結でプリアンプや外部マスター
クロックは使用していません。ただし電源ケーブルは例のTRANSPARENT OPC2を
使用しています。

 ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / MSB Select DAC-inspection system ◇

………………………………………………………………………………
MSB Signature Universal Media Transport V(税別¥1,650,000.)
MSB Dual Transport Power Base V(税別¥680,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/msb-technology/universal-media-transport-v/
                ▽ ▽ ▽
MSB Select DAC(税別¥12,300,000.)
http://www.msbtech.com/products/dacSelect.php?Page=../index
     and
TRANSPARENT OPC2+PI8 (税別¥1,520,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ZenSati	Seraphim / Interconnect cable XLR 8.0m(1Pair 税別¥5,645,000.)
http://www.zensati.com/
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html 

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
CH Precision A1 Mono Power Amplifier 1Pair(税別¥7,600,000.)
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/A1%20pict.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PIMMX(2set税別¥1,640,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
CH Precision SBOARD 1Pair(税別¥360,000.)
http://www.zephyrn.com/chprecision/page/SBOARD%20pict.html
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ZenSati	Seraphim/Speaker cable 3.0m/Bi-Wier(税別¥9,408,000.)
http://www.zensati.com/
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html 

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improved (1Pair ¥14,250,000.)
http://www.hiro-ac.jp/
     and
H.A.L.'s B-Board×2 (1枚/税別・配送費込み¥122,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
「特報!!HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improvedとはこれだ!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1199.html
ここに紹介した下記の二枚の写真でImprovedモデルとスピーカー本体とネット
ワークボックスをセットしたのがB-Board
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved02.jpg
………………………………………………………………………………

さて、約二時間程の試聴とディスカッションを行いましたが、親しみを込めて
Larryさんと書かせて頂きましょう。

私はLarryさんに自社でリファレンスに使っているスピーカーは何かと訊ねました。
すると、何と日本でもおなじみのYG AcousticsとQUAD ESLの新タイプを使って
いるというのです。モデル名を訊ねましたが、ご本人は忘れてしまったという
ことでした。

H.A.L.'s One point impression!!-Aug-Line DC Cable for CH Precision
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1255.html

さて、日本価格1,230万円という私でも経験のないDACを試聴するに当たり、
私は先ず日頃どんな音を聴いているのかをLarryさんに聴いてもらいたいと
上記のシステム構成で私の課題曲を数曲聴いてもらいました。反応は…

Larryさんのコメントを全て記憶していませんが、アメリカのショップでも
聴いた事のない素晴らしいサウンドだとお褒めの言葉を頂きました。

でも、それはLarryさんが作り出したSelect DACを私が試聴して評価するシステムの
パフォーマンスを先に知ってもらう事で私の感想や意見に説得力を持たせたいと
いう思いがあったからなのです。Larryさんがライバルだと発言したdCSは
こんな音を出す実力があるのだということを先に聴いてもらったのです。

そして、次にセッティングを変更し、いよいよSelect DACをつなぎますが、
パワーアンプダイレクトで聴いて欲しいという。私は素直に従いセッティング
してからセンターポジションにつきました。

先ず最初に、Larryさんにはお聞かせしなかった小澤征爾/ボストン交響楽団
マーラー交響曲第一番「巨人」87年録音の定番の第二楽章を聴くことに。
電源を入れた直後です。そうしたら…

「えっ! ちょっとこれなに!? 今までに最高のHIRO Acousticかもしれない!!」

なぜそんな大胆なことを言うのか!? 私がこの曲に求めている要素が全ての
項目で満たされていたからです。

しなやかで艶やかな弦楽器が見事な中間定位で左右HIRO Acousticの空間に
整然と並び、管楽器の質感が驚くほどに新鮮であり、トライアングルの打音は
極めて小さな光点として描かれ、それら全体をゆったりとしたホールエコーで
包み込む素晴らしさ!!

出会いがしらの強烈な印象は私の記憶をスキャンして、同レベルのクォリティー
が見当たらないという検索結果が頭の中に瞬間的に表示された!!これは凄い!!

各パートの質感を各論として補足説明する必要は全くなし!!こんなオーケストラ
を聴かされて、何かしら注文を付けるコメントが足元に落ちていないかと思わず
周囲に視線をさまよわせるが徒労に終わってしまった。何なんだ、この音は!!

次は先ほどLarryさん一番初めに聴かせたこの曲をかけることに。

■THE WEEKEND / EARNED IT(TRADUCIDA EN ESPANOL) 
http://www.universal-music.co.jp/p/UICU-1262

バシッとくる強烈で鋭いスネアのアタックと重厚な弦楽器の低域が前例のない
解像度で展開し始めた!!

そして、センターに登場したヴォーカルがまた凄い!!リヴァーヴの発生と消滅を
これ程まで鮮明にし、重厚な低域の中にくっきりと浮かぶ音像の見事なこと!!

私はここで思い付き、それまでSelect DACに使用していた電源ケーブルPLMM2X
からOPC2に切り替えて最初から聴き直す。

「えっ!! こんなに低域が…!! ヴォーカルの鮮明さもここまで変わるか!!」

この変化をLarryさんは何事もなかったかのように隣で聴いている。しかし、
Select DACの潜在能力とはこれ程のものだったのか!!

パワーアンプ直結という使い方を私は今まであまり歓迎していなかった。
それはDAC内蔵のボリュームコントロールで音量を絞り込むと解像度が低下し、
演奏する空間が平面的になり、ダイナミックな低域が威力を減じるという複数
の要素があったからだ。しかし、Select DACでは全くそんな気配すらない!!

DACと言えば半導体メーカーの作ったDACチップでTIやBBというイニシャルで
呼ばれる大手メーカーのこれを使っているからいいのだ…、という触れ込みを
今まで何度となく耳にしてきたものですが、MSBとはそもそも既成のDACチップ
は一切使っていないというのだ。

ラダー型マルチビットDACを更に進化させたMSB Hybrid DAC modulesを8個使用
したというが、実際には二倍の16個で差動動作させているという原理らしい。

そもそもが自社でラダー型マルチビットDACを同社の基準において自社生産し、
それを超高速DSPにて処理して強力なIV変換を行い高ボルテージのアナログ出力
を可能とし、それをパッシブ・ステップアッテネーターを使用してボリューム
コントロールするという事で、原理はシンプルで余計な処理を極力排除したと
いう方針が音質に表れているので仕方ない。

上記の写真でディスプレーを見てお分かりのように16bit/44KHzとネイティブな
デジタル信号の方が音質が良いのだとLarryさんは何気なく語る。えっ!

私はハイレゾという流行語に対して8倍アップサンプリングしているディスク
トランスポートと同社のDACの連係による高音質を信じ切っていたのですが、
何とLarryさんはアップサンプリングの高スペックに興味はないという。

■UNCOMPRESSED WORLD VOL.1
http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html
http://www.dynamicaudio.jp/file/100407/UncompressedWorldVol.1_booklet.pdf
TRACK NO. 3 TWO TREES

この曲のサックスの質感、ピアノのタッチの素晴らしい解像度。
そして、何よりリヴァーヴとディレーによる巧妙であり広大であり美しい余韻。

二人の演奏者が存在する空間で溢れる情報量が楽音の質感と空間表現の両者で
これ程高次元の再生音を私は聴いた事がない!!

パワーアンプ直結という方法が、情報量の正確な伝送にここまで貢献するのか
という前代未聞の経験に感動しながら私は聴き続けた。

CH Precisionのパワーアンプがこれ程に調教されてしまい、その存在感は入力
された信号を完璧にスピーカーに送り込むという究極の目的にあったのだと
Select DACによって新たな覚醒をしたと言っても良いだろう。素晴らしい!!

私はMSBというメーカーの根本的な技術力を知らなかった事を今は反省している。
そもそも自社でDACそのものを作ってしまうという他社には出来ない芸当を
これ程音質に反映させた製品はないだろう。

Larryさんはジェスチャーで極小のパーツをDACに組み込んで行く手の動きを
私に示し、これを30年続けてきたのだという。

試聴を繰り返し私が感じた最大のポイントは他社製品で感じられなかった微小
な信号による音の情報が聴き取れるということ。それが音楽のニュアンスと
臨場感をいかに高めるのかという前例のない体験に私は痺れてしまった!!

初めてお会いしたLarryさんに私の感動が伝わったのか、快く記念撮影に応じて
くれたのが次の写真。試聴が終わる頃にはすっかり打ち解けていました。

http://www.dynamicaudio.jp/file/20150928-msb.01.jpg

http://www.dynamicaudio.jp/file/20150928-msb.02.jpg

Select DACと優秀なパワーアンプを直結することで再発見される44KHz/16bitの
本当の素晴らしさ。もちろん、ここではケーブルや電源やラックにも相当の
ものを使用しているが、それらの付帯する投資に100%答えてくれるデジタル
オーディオの新境地をSelect DACに発見したことをご報告したい!!

明日から二日間、当フロアーがクローズなのが惜しい。とにかく凄い!!
今週末は試聴可能です!!今なら体験できます!!



担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!


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