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H.A.L.担当 川又利明


No.121  「私が名付け親?? Z(ジィー)-Board 登場!!」

こだわりの私が評価して当フロアーに全面的に採用したラックシステムが ゾウセカス(zoethecus)であることは既に皆様もご存知であると思います。 今回そのゾウセカスに音質的なバリエーションを追加する新製品をご紹介 します。業界初の私が名付け親の製品で、以下の理由からZ-Boardと名付け ました。単純明快な製品ですが、想像以上に効果があります。

先ず、単純な板状のこのZ-Boardはどんな材質で出来ているのか?? 材料組成は、セメントセラミックスと鉄微粒粉による複合材です。 (特許申請中) いわば、金属とセラミックスのあいのこです。

特徴は、高剛性で高質量で高内部損失であることです。これって大変に 都合のいい素材なんです。通常、高剛性材料は内部損失が小さい、つまり 硬いものはエネルギーを伝播しやすいということです。鉄道のレールが 何キロも先にいる列車の振動を伝えてくるのは想像に難しくないですね。 また、反対に内部損失の大きい材料は、剛体でありません。これは振動や エネルギーを物体の内部で吸収してしまうということです。極端な例で すが、粘土などはいい例えですね。そして、最近のカーボン系新素材、 ファインセラミックス類はこれには当てはまりませんが、振動問題を 考える上では、質量不足といえます。つまり、剛性によって変形は 避けられても、軽いために全体が動くことになってしまうからです。

さて、オーディオのコンポーネントを設置する環境、具体的には置き台に はどんなものが理想的なのでしょうか?

1.荷重を受けながらも自らの形を維持するだけの“高剛性”であること。 これって当たり前ですが優先順位の問題で大事なことです。
2.次に、それ自身が振動しないほどに十分“高質量”であること。考えて みて下さい。硬いからといっても薄く軽いものだったらシンバルのよ うに音を発してしまいますね。
3.そして、コンポーネント自体が発する振動やエネルギー、またはスピーカー からの音圧による床からの振動などを内部で消失させてしまうほどの “高内部損失”であること。

この3.に関してはゾウセカスは独特の柔構造を採用し、フレームと棚板に 十分な“内部損失”を持たせることによってアイソレーションという考え 方で床の材質や環境からコンポーネントを遊離することに成功しました。 実際にゾウセカスを使用される最大のメリットは畳の上でもコンクリート の上に置いても、中立的な音質でコンポーネントを機能させることができる ということです。ですから、ゾウセカスの棚板は使用しているとわずかに しなってきますが、その素材と性格上で目的を達するために前述の“高剛性” という着目点の優先順位を下げて考えられたものとご理解ください。

このZ-Boardは電気的には、高抵抗体で導通をしめします。電磁波的には、 未確認ですが、鉄の性質とセメントセラミックスの誘電率を考えあわせ、 吸収帯域と反射(シールド)帯域があるものと想像されます。これは PADのアイソレーション・プラットフォームほどの効果は期待できません。 あくまでも、想像される…という程度です。期待したい方は受け取り方 次第で解釈してくださってよいと思います。
昨今はラックも高額化して有名なものではカーボンファイバーをボード 状にしたものがありますが、このカーボンファイバーもちゃんと私は実験 しました。軽いので指でつまむようにしてドライバーの柄などで叩くと 「カン、カン」と音がします。これにコンポーネントを乗せて再生すると 大変にぎやかな音になってしまいます。カーボンファイバーは前述の “高剛性”という点では良いのですが、その他の二つの要素は満たして おりませんね。と、いうわけで私は試聴した上でここでは採用しない 事にしました。

製造方法は、ポルトランドセメント粉と鉄粉と水、セメント混和材として のシリカフューム、減水剤を真空にしたミキサーで混ぜ合わせ、型に流し 込み常温で硬化させ作ります。成形工程は、一日一工程(一型につき一日 一個しか作れません)のため量産は出来ません。この辺はハイエンド志向 でしょ!!

さて、このZ-Boardをなぜゾウセカスに使うのか。そして、ゾウセカス純正の 棚板をなぜそのまま使用するのかをご説明します。
先ず、ゾウセカスを私が評価した最大要因が前述のアイソレーション効果が 素晴らしいということです。これらはフレームと棚板のすべてを使用する ことで絶妙なバランスを持っているものであり、各々の設計目的が融合して こそ能力を発揮するものであると考えています。つまり、棚板まではゾウセ カスが考えたコンディションを維持してやり、Z-Boardはコンポーネント側 の一部としていっしょに乗せてあげたいのです。
次に、Z-Board単体を他社のラック、もしくは床置きで使用する際には金属の スパイクなどは使用せずに、ソルボセン(無反発ゴム)やブチルゴムなどの 極力“高内部損失”の素材を中間にはさまれることをお勧めします。
というのも、せっかくZ-Boardが“高内部損失”を維持していても、金属で できたもので浮かせたような場合には金属自体の“低内部損失”が邪魔 をしてスパイクがエネルギーを蓄積し独特の付帯音をつけてしまうこと になるからです。従って、完璧にアイソレーションされたゾウセカスの コンディションが最も効果を引き出すことになるのです。
私は決してゾウセカスが物足りないとか、いけないとか言っているわけ ではありませんので誤解のないようにお願いします。

ゾウセカスのみで聴いた場合と実際にどのように違うのか、ポイントのみ まとめてみると以下のようになります。

1.ヴオーカルの口元のサイズは間違いなく小さくなります。フォーカス感 がより得られるという表現に置き換えても良いでしょう。しかし、弦楽器 やクラシック系のソプラノなどは前述の効果に加えて少々センシティビ ティーが高くなりますので、ふっくらとした表現をお好みの方からすれば 温度感の低下という見方をされるでしょう。

2.スタジオ録音の演奏は大変に解像度が向上して聞こえるはずです。 シンバルの鮮明さ、キックドラムのテンションの向上、ベースのソリッド 感も高まります。これらはZ-Boardを単品で使用するかゾウセカス以外 のラックで試したりすると効果はもっと大きく感じられるはずです。

3.クラシック系のホール録音について、特にオーケストラでは各楽器の 粒立ちが大変に良くなります。ということは各楽器の音像表現のシル エット、投影面積が縮小して点に近づいていきます。すると楽音の輪郭 が鮮明になる分エコー感との分離が明確になります。これを逆説的に とらえれば「音がやせてしまってつまらない」という解釈もあります。 個々の楽音を鮮明に明確にしていきたいという方向と、輪郭をあいまい にしてもふくよかな演奏を求めたいという方向とでユーザー自身の 好みを確認なさってください。前者の志向に一致する製品です。

さて、「川又さんがこれほど力説するからにはきっと何十万もするんでしょ!!」 と皆様は考えるでしょうね。きっと…。でも、実は、ええーっと驚かれるほど 安いんです。何と定価は\60.000.という値段なのです。では、肝心な商品の ラインアップをご紹介しましょう。

Z-Board(zoethecus用)520×398×25 19.1s\60.000.
*これだけは当店のオリジナル商品であり、他店では販売いたしません。
 
MBA−P0(本体用)465×424×27 18.2s\58.000.
MBR−P0(電源用)240×396×27  8.8s\40.000.
 
MMW−1(汎用)480×420×27 20.1s\52.000.
MMW−2(汎用)560×480×30 29.8s\68.000.

「え、P−0用もあるの??」と驚かれた方もいらっしゃるでしょうね。 実は、これらは本来P−0用として開発されたもので試作品が届いたのですが、 私のところのzoethecusには大きくて載らなかったものでメーカーさんに無理 をお願いして小さくしたものがバッチリだったということなのです。 この画像ではP−0に使用していますが、前述の音質変化の傾向はすべての コンポーネントに共通するものです。どうぞご安心下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/000831/z-board.jpg
私はこのフロアーにおける効果のありようをゾウセカスで確認しましたが、 このようにゾウセカス以外のラックにも対応しております。何と言っても 先に述べているように大量生産できませんので、このZ-Boardは定価で販売 していこうと考えておりました。しかし、私はハルズサークルの皆様への 特典としてしばらくは特別価格を用意し、全国どちらにでも配送費無料で お届けしたいと思います。Z-Board以外のものにつきましてはメーカーと 交渉してみますので、どうぞ気軽にお問合せください。


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
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