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H.A.L.担当 川又利明


No.107 「待ちに待ったPADアイソレーションプラットフォーム到着」
写真1 写真2 写真3 写真4

4月17日の昼頃「店長、シーエスフィールドから荷物が来てますよ!」と内線があった。箱を開けてみると「おお、やっときたか」と待つこと久しかったアイソレーション・プラットフォームが遂に到着したのである。色々と取り込み中のためにすぐに試聴とはいかなかったのだが、そこに偶然にも来店されたのが何を隠そうノーチラス用RLSケーブルを日本で、いや世界で始めて購入された世田谷区にお住まいのS・M氏その人ではないか。「ちょうどいいところにお見えになりましたね。初物を聴いて見ましょうか。」とM氏をお誘いする。ここにあるコンポーネントを一人で持ちあげてアイソレーション・プラットフォームの抜き差しをする実験は一人ではしんどい。表現はよくないがお得意様を巻き込んでお手伝いいただき、新着の新製品を二人で試聴しようというのである。

まずは写真1をご覧頂きたい。テーブルの上に載せたアイソレーション・プラットフォームは背後のノーチラスを反射して美しい光沢感を見せている。サイズは 39.7×52.6×1.8(cm)と半端な寸法だが、実は私がゾウセカスの棚板であるz.Slabの寸法に合わせて作ってほしいという希望がかなえられたものである。実際にゾウセカスのz.3/Rに載せてみたのが写真2である。ジャストフィットする寸法と、振動対策はゾウセカスで、高周波と磁界のアイソレーションはPADでと完璧なコンディションが出来上がったわけである。それでは最初にどこにアイソレーション・プラットフォームを使ってみるか。ここで思い出されるのはサンプルのアイソレーション・プラットフォームを始めて体験した昨年の記憶である。当時の模様は随筆の第47話、第四部の第一章で述べているのでご一読いただければ幸いである。そのサンプルを最初に試したのがプリアンプのジェフロウランドのコヒレンス2であった。従って、この日の試聴も昨年の再現から始めることにする。まずゾウセカスのz.3/Rの上に直にコヒレンスを置いて聴き始める。エソテリックのP-0、dcsのシステム900pro、パワーアンプはジェフロウランドのモデル12、そしてノーチラス用RLSケーブルを介してノーチラスへと結ばれる最高のラインアップでの試聴である。

いやはや、これだけで聴いても何も問題ない。同感のうなずきを見せるM氏も納得の表情である。選曲はいつものヨーヨー・マから始まっており、さていよいよサンプルのアイソレーション・プラットフォームを挿入した。いつもの調子で敏感に反応されるM氏はさすがにノーチラスのオーナーである。このサンプルのアイソレーション・プラットフォームでさえ、これほどの純粋な再現性をもたらすというのに、果たして製品化を前提としたファイナルバージョンはどんな演奏を聴かせてくれるのか。写真4 がいよいよアイソレーション・プラットフォームにコヒレンスを載せた状態である。サンプルの木目仕上げと違って精悍なブラックの仕上げは、実にコンポーネントにマッチしてくれる。期待に胸膨らませてスタートボタンを押した。「おや、違うな、さっきの音とは」と私は直ちに表現の違いに内心で要確認のメッセージが点灯させた。

次に選曲を変える。ブリーフニュースのNo.103で紹介している、YPMというマイナーレーベルで山本英次のピアノによる「スウィミング・アバウト・イン・ジャズ」(YPM008)の一曲目をかけることにした。最初のウッドベースのテンションが使用前に比べると明らかに向上しており、しかも重量感を増した質感が耳を疑うほどのエネルギーをたたき出す。ピアノのアタックが言葉で言い尽くせないほど鮮明になるものだから、その分エコー感がふんだんに空間を占領していく。「川又さん、いいねえ、不思議だね」とM氏も思わず身を乗り出してくる。そして一言「川又さん、これP-0に使ったらどうかな」と思いがけない提案が出される。私もサンプルでは昨年実際にやってみたことはあるが、やはり本番のアイソレーション・プラットフォームの威力で試してみたくなった。「いいですよ、やってみましょう。」と私が唸りながらセッティングしたのが写真4である。ゾウセカスのサイズにピッタリとフィットしているのでP-0を載せても何も問題はない。そして、同じ曲をかけた。すると「おいおい、それはないでしょう。一体今まで聴いてきたP-0の音は何だったんだ。」と呆れてしまうほどの変化がノーチラスから出力されてくるではないか。こんな引き締まったベースが先行し、逆に先ほどまで張り詰めすぎていたかのようなピアノに透けて見えるような透明度がもたらされる。願ったりかなったりの変貌ではないか。そう言えばP-0のメイン基板は本体の底に位置している。アイソレーション・プラットフォームが見事に外界との遮断を実現して、ホレこのとおり目の前で本来の情報量を引き出してくれているのである。これには参った。

このアイソレーション・プラットフォームは定価\160,000.と決定した。今のところ日本で実物があるのは私のところだけである。昨年から予約を頂戴している方も複数あり、やっと私も実物の提供が出来るということになった。しかも、サイズ的にもゾウセカスにマッチしているということで、既にゾウセカスを使用されている方、そしてこれから導入を検討されている方にも自信を持ってお勧めできるものに仕上がってくれた。サンキュー、ジム、またひとつ日本のオーディオファイルがジムに感謝するものを提供してくれたのである。最後にM氏は一言残されていきました。「川又さん、納期はどのくらい!」

当然、私も本格的な受注を受ける体制になりました。お待たせしている皆様、どうぞ“枚数”をご連絡ください。


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