VOL.84 LUXMAN C-900u,M-900u 試聴レポート




		画像はC-900u



		画像はM-900u


LUXMAN	C-900u	コントロールアンプ   \1,100,000(税別)

    M-900u ステレオパワーアンプ \1,100,000(税別)



本日は2013年インターナショナルオーディオショーで発表されたプリンプC-900uと
パワーアンプM-900uをご紹介させていただきます。

LUXMANのプリアンプのフラッグシップモデルとして君臨したルC-1000f、そして2007
年に発売されたC-800fが生産完了となり、登場したのがトップモデルの位置づけと
なるC-900u。

そして同じく2006年に発売されたステレオパワーアンプM-800Aが生産完了となり、
このM-900uがパワーアンプのトップモデルとなります。

今回の型番の最後に「u」というのがついておりますが、ultimateの略で最高の、究
極のという意味合いを持ちます。それだけ自信のあるものが出来たという表れだと
思います。本体には赤い文字で刻印されております。

それでは、それぞれのモデルの詳細をお届けいたします。

■C-900u コントロールアンプ



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1.フルバランス構成のディスクリートアンプ

前モデル同様フルバランス構成になっております。


2.スムースな音量調整を実現する88ステップのアンプ回路一体型・電子制御アッテ
 ネーター新LECUA1000を開発

ボリュームにもこだわりステップ数も以前より上がっております。

3.ラウドネス機能装備

4.BASS、TREBLE、LINE STRAIGHT 装備
 
 低域(BASS)、高域(TREBLE)の調整も可能ですが、その部分を経由しない
 LINE STRAIGHT機能も装備されております。
  


5.L,R BALANCE (左右の音量調整)装備

6.OUTPUT MODE

 バランス(XLR)、アンバランス(RCA)の切り替えとなり、各2系統の出力を持っ
 ております。
 (バランス、アンバランス両方出力させることは出来ません。)
  


7.EXT PRE

 AVアンプなどの外部プリ出力などを背面EXT PREの入力に接続することで、
  こちらプリアンプの機能をスルーさせることができます。
 専用の端子を装備することで、入力を間違うこともありませんので安心です。
  



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8.ディマー機能、ズーム機能

 ディスプレーの明るさ調整とディスプレイのヴォリューム表示を見やすいように
 出来るズーム機能を装備しております。

9.電源ケーブルはJPA-15000付属

10.その他スペック

入力感度/入力インピーダンス :アンバランス255mV/43kΩ、バランス255mV/86kΩ

入力・出力:
  アンバランス3系統、バランス3系統/アンバランス2系統、バランス2系統

リモコン機能
  オペレーション、ディマー、入力セレクター、出力モード
  バランス位相切り替え、トルプリセット、外部プリ入力、
  ラインストレート、ラウドネス、音量調整、ミュート、ズーム

消費電力:38W、2.2W(スタンバイ時)

外形寸法/重量:440(W)×130(H)×430(D)mm/19.7kg

メーカーサイトはこちらをクリック


■M-900u ステレオパワーアンプ




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1.ハイパワー志向と密度感のある音質を高度に両立させてバイアス電流設定による
 最大12Wまでの純A級動作

2.高域の歪特性を大幅に改善したODNF VER4.0対応 3段ダーリントン4パラレルプッ
シュプルの出力モジュールを組み合わせた4×2 アウトプット構成
(チャンネルあたり)
3.平角型の銅巻線を採用した高結合低損失のEI型スーパーレギュレーショントラン
スを搭載

4.LEDによる電球色照明付きの大型針式アナログレベルメーター

5.フロントにはXLRとRCAの入力切替とディスプレイの切替




ディスプレイはOFF/メーターのみ/メーター+照明

6.リアパネルには位相切り替えとステレオ、BTL切替スィッチ

モノラルアンプ1台分として使用出来るBTLモードが付いております。

2台使用することで余裕たっぷりのサウンドを楽しめます。



7.バナナ、Yプラグにも対応した大型ターミナル



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8.電源ケーブルはJPA-15000付属


9.その他スペック

定格出力:ステレオ時/150W(8Ω)、300W(4Ω)
     BTL(モノラル時)/600W(8Ω)

入力/出力:アンバランス1系統、バランス1系統/大型スピーカー端子 1系統

消費電力:520W、280W(無信号時、1.0W(スタンバイ時)

外形寸法/重量:440(W)×224(H)×485(D)mm/48.0kg

メーカーサイトはこちらをクリック



今回セットでの試聴になった為、あくまでもセットでのコメントとさせていただけ
ればと思います。

試聴システムはCD/SACD PLYERは同社D-08、スピーカーはB&W 802Diamondになります。

まず一聴してラックスマンの変貌を感じ取ることが出来ました。

以前からのイメージとして暖かいサウンド、エネルギー感のあるサウンド、聞き疲
れのない、響き豊かなサウンドという言葉が先行するとろこがありますが、実際ラ
ックスマンとしてもそこを狙っているということは確かで、これが自分たちのサウ
ンドであることをしっかり意識しております。

今回もそのイメージを持って試聴をしましたが、先ほどのコメントのラックスマン
の印象にプラスされた感動を覚えてしまいました。
一言でいうと「爽やかさ」

もちろん解像度が上がればそういう印象を持つこともありますが、華やかというよ
りも、清らかに聞こえて音が降り注いでくるといった好印象を持ちました。

ラックスマンのファンの方は私の知っているお客様でも多いのですが、この変化を
良しとするかは賛否両論出るとは思いますが、私はこの変化は拍手を送りたいと思
っております。

さてもっとオーディオ的にコメントさせていただきます。
まずは音像が以前のモデルよりも一歩下がった感じがします。これは奥行き感が出
たという判断になりますが、オーケストラの前後が良く再現されるようになってお
り、更に高さの表現能力も格段に上がっております。
VOCALの口の位置が以前より高い位置に定位し、それも輪郭がはっきり過ぎるという
ことでもなく、その唇の動きが妙にリアルに感じ、艶まで感じることが出来るよう
になっております。

ジャズに関しましては、録音が古いものですと違和感があるという訳ではないです
が、どうしても新し録音の方が、雰囲気を感じることが出来ております。解像度や
全体のクオリティが上がってしまうとこの辺りはどうしても背中合わせ的な部分も
あります。
ただこれ以上になってしまうと古い録音のものが苦手になると思いますので、程よ
いところでチューニングされているように感じます。

クラシックに関しては、特にオーケストラが非常に気持ちよく、私の好きなロイヤ
ルコンセルトヘボウの演奏は、抑揚があり、浸透力を感じます。浮ついた音ではな
く、フォルテ部分の表現力もしっかりして音の強弱の表現も以前のモデルよりも向
上しております。

こうなるとロック、ポップスなど重ねて聞いてしまいますが、音の安定感があり、
音楽の表現力を全てのジャンルで感じてしまいます。

この曲は苦手という部分も以前よりは少なくなっており、その反面以前の良さが消
えたかと言われればそういう部分も無いとは言えませんが、クオリティーで補える
部分の方が強く感じます。

私は逆に海外製品のような個性も感じ取れるようになっているとも思えます。

今回セットで試聴をしておりますので、パワーアンプの影響力なのか、プリアンプ
の影響力なのかは100%言い切れない部分がありますが、今までの経験上私はプリア
ンプのクオリティが上がっているのではないかという判断です。

旧モデルのC-800fと比較試聴が出来ればその悩みも解決できると思いますので、こ
れはどこかでやろうと考えております。

オーディオは本当に好みの世界です。私は以前のモデルが好きというお客様もいら
っしゃると思います。それは全てのメーカーの新製品が出てくるとそう感じること
も良くあります。しかし私はこの進化はラックスマンが出した自信であるとしっか
り受け止めることが出来ました。

ラックスマンをお持ちのお客様はもちろんのこと、今まで興味のなかったお客様に
も聴いていただきたいと思います。

2013年12月8日 H.A.L.3 島

追伸
秋葉原駅、京浜東北線、山手線の上野方面行き東京よりのホームからエスカレー
ターを降りると
このC-900uとM-900uの電飾看板が飾られておりました。

凄くうれしかったですね!!