Vol.45 RGPC社 電源製品・比較試聴

RGPC電源3種
写真左より「RGPC 400PRO」・「RGPC 600」・「Pole Pig

今回は、輸入代理店ステラボックスジャパンが取扱いを始めました、アメリカの電源メーカーRGPC社の製品をご紹介させていただきます。

このRGPC社は“Richard Gray's Power Company”が正式名称で、電源周辺機器を専門に扱う会社として1999年にアメリカ、ニューオリンズに設立されました。 創設者のリチャード・グレイは免許取得テレビ技師としてキャリアを積み、自身も大変なオーディオマニアだそうで、彼のアイデアはVTL社、AUDIO RSEARCH社などの製品にも影響を与えたとの話もあります。
既に海外での評価は高く、色々なオーディオメーカーが、オフィスや自宅、またオーディオショーのブースなどでRGPC製品を使用しており、 またスタジオ、海外ミュージシャンなど中にも愛用者がいるとの事です。その中にはなんと、レニークラヴィッツ、オージーオズボーン、エアロスミス等世界的に著名なミュージシャンの名前もありました。 2004年にはディーラーが選ぶ様々な賞も受賞しているようです。

さて、このRGPC社の製品ですが、現在のラインナップとしては、“電源供給製品(ACエンハンサー)”3機種、“アイソレーション製品”2機種、その“複合製品”1機種の計6機種がございます。
今回はACエンハンサーの「400PRO」、「600S」、アイソレーショントランスの「Pole Pig」をご紹介させていただきます。

詳細及びその他のラインナップはこちらをご覧下さい。
ACエンハンサー (400PRO、600S、1200 Custom)
アイソレーショントランス (Pole Pig、Sub Station)
アイソ・グレイシステム (POWER HOUSE)



ここから3機種の検証を行って参ります。

    ≪使用機器≫
  • CD/SACD PLAYER : GOLDMUND 「EIDOS 20A
  • PRE AMPLIFIER : GOLDMUND 「MIEMSIS27.3L
【1】 コンセント直接

※“ACエンハンサー”共通の取扱説明書の中に「使用方法」という事で幾つかの使用例が記されております。 その中で「空いているコンセントに挿入」という項目があり、次はそれを試してみました。

【2】 400PROを空いているコンセントに挿入

結果、静寂感が増し、若干ですが中域にも厚みが出て、低域も沈み込んだ感じになりました。 大幅とは言えませんが、空いているコンセントに入れるだけでも変化を感じることが出来ます。 しかし、これはちょっと贅沢な使い方ですので、コメントは簡単にさせていただきます。

【3】 CD、プリの電源を「400PRO」に挿入

こちらは低域の沈み込み、中域の厚み共に増し、レンジも広くなります。また見通しも良くなり、すっきりした音に変化します。 中低域に多少の癖は感じますが、高域は滑らかで雑味が減り、耳当たりが良くなります。
これは大幅な変化というよりも、全帯域においてバランス良く変化しており、非常に使いやすいと思います。

写真はそれぞれコンセント挿入部分です。
上列左が「400PRO」、右が「600S」、下が「Pole Pig」になります。 400PROのインレットの近くに“120V”と“60Hz”という表記がございますが、周波数に関しましては入力と同じですので、東京では50Hzとなります。 また400PRO、600S、Pole Pig共に、電源ケーブルは、着脱可能な20A用電源ケーブルとなります。 電源ケーブルを変更したい場合、市販されているものは種類もわずかとなってしまいます。予めご了承下さい。

【4】 CD、プリの電源を「600S」に挿入

400PROと600Sに関しては最大容量、チョークトランス定格などは同じで、コンセントの数、筐体のデザインなどに違いがあります。
さほど400Sとは変化がないかと思いましたが、400PROとは違う変化がおきました。全体的に華やかになり、広がり、色彩感など向上しました。 しかし400Sの時に感じた中低域の濃さが減ったように感じます。この変化は価格差によるものとも言えない部分もあるようです。
ただ変化の傾向を考えたときに、本体の受けによる影響が大きいのではないかと感じました。良く見ると600Sが「4点ゴム脚」なのに対して、400PROは「面」で設置しています。 そこで、まずは400SにH.A.L.3オリジナルタップ用ボードのイルンゴTAP45W(W200×D350×45)を使用したところ、その音はかなり変化しました。。 低域のエネルギー感とその深み、また開放感、音の滑らかさなど非常に良くなりました。また面で受けている部分にコーン型のインシュレーターなどを挟んでみると解像度など上がります。 400PROは面で受けている分、床の影響をかなり受けているように感じます。600Sの下にもTAP45Wを敷いてみましたが、こちらは400PROよりも変化率は少ないとはいえ、 良い感じに変化してくれます。足回りの調整で多少の色付けは出来そうです。
しかしながら、実際400Sと600PROは「音の好み」でお選びになったほうが良さそうです。

※600Sの方は後ろのスィッチでフロントのパネルの色を変更できます。消すことも出来ますので、こちらはお好みでご使用下さい。

【5】 CD、プリの電源を「Pole Pig」に挿入

最後に400PRO、600Sとは異なる“アイソレーショントランス”の「Pole Pig」に変更してみました。
こちらはもっと音痩せするかと思いましたが、400PROと600Sの良いとこ取りをしているようで、情報量、エネルギー感ともバランスよく変化いたしました。 600Sのように際立って華やかというのではなく、また400PROのような目立った深みは少ないものの、全体的なバランスはこの3機種の中では一番優れているように感じます。 これがある意味、価格差の理由の一つかもしれません。

【6】 「400PRO」の電源を「Pole Pig」に挿入

この接続方法は、RGPC社では「アイソグレイシステム」と称しており、一つのヴァージョンアップ術のようです。
機器の電源を、直接「Pole Pig」に接続した時と、Pole Pigにつながった「400PRO」に接続した時の変化ですが、激変とはまでは行かなくても、 低域のエネルギーは増し、深味は出たように感じます。こちらは最初にPole Pigを購入された場合ではなく、最初に400PROをお持ちのお客様のグレードアップであれば効果的ではないかと思います。

最終的な感想ですが、厚みを減らさず全体的に良くしたいということであれば、「400PRO」をお勧めしたいところです。 この傾向を更にランクアップさせたいということであれば「Pole Pig」も非常にお勧めできます。全体的に音色を華やかにしたいと言うことであれば「600PRO」がお勧めです。

モデルによって多少音色の傾向が違うようですが、音のクオリティは非常に優れておりますので、まずは前段機器に試されてみてはいかがでしょうか。

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