VOL.89 OCTAVE HP700 試聴レポート




OCTAVE HP700  ラインモデル \1,700,000(税別)〜
		フォノモデル \1,942,000(税別)〜
		

本日は日本でも知名度が上がってきたOCTAVEの新しいプリアンプHP700をご紹介させ
ていただきます。

私の中で強いイメージがあるのが当時大人気モデルであったプリアンプのHP500SE。
こちらのモデルは日本仕様モデルということで100台という台数限定で販売しており
ました。発売後数年でその台数は終えましたが、OCTAVE本国で他の国に出荷する分
でキープしていたパーツを使用し、日本向けに増産をしてくれました。
それでも基本的には2010年で終了しました。

このHP500SEの魅力は透明感と暖かみを持ち、プリアンプとしてのクオリティが非常
に高く、また音楽性も非常に素晴らしくH.A.L.3でも多くのお客様にご愛用いただい
ております。

またフォノ入力のクオリティも非常に高く、HP500SE購入後にアナログプレーヤー導
入というお客様もいらっしゃいました。

私個人的にはこの価格のプリアンプとしては非常に高い評価をしておりました。

廉価モデルのHP300MK2、HP300SEもありますが、HP500SEとの音質の差は大きく、ま
たその上はJUBILEEになってしまいますので、早く後継モデルを出して欲しいと代理
店ともども思っておりました。

実際新しいプリアンプを手掛けているという話は私が知る限りでも5年は経過してい
ると思います。

そういったこともあり、今回のHP700の登場は本当に待ちに待ったというのが正直な
気持ちです。

OCTAVEの歴史もお話ししたいところですが、こちらは輸入代理店のホームページを
ご覧いただければ幸いです。

OCTAVE ヒストリーはこちら

それでは、まず価格のご案内をさせていただきます。        

≪HP700価格表≫
モデル
インプットモジュール
仕様
定価(税別)
HP700
*
 
*
 
\1,700,000(税別)
   HP700   
IN1:\62,000
MM RCA 1系統
入力インピーダンス1k/47kΩ可変
\1,942,000(税別)
IN2:\86,000
MM RCA 1系統
入力インピーダンス62〜1kΩ可変
13段階に切り替え可能
\1,966,000(税別)
IN3:\86,000
MC XLR 1系統
入力インピーダンス62〜1kΩ可変
13段階に切り替え可能
\1,966,000(税別)
IN4:\86,000
RCA 1系統+XLR 1系統
ラインレベルの入力2系統追加
\1,786,000(税別)
IN6:\300,000
低出力/中・高出力MCカートリッジ用
ステップアップトランス
昇圧比1:15/30
トランスは2段階で切り替え可能
\2,188,000(税別)
IN7:\300,000
バランスフォノ入力
MCカートリッジ用ステップアップトランス
昇圧比1:20
\2,188,000(税別)
IN8:\135,000
バランス入力
ラインレベルトランス(1:1 トランス内蔵)
\1,835,000(税別)
*インプットモジュールは2ユニットまで設置可能 *オプション コントロール機能:トーンコントロール/バランスコントロール/アウトプットセレクター \370,000(税別) ステップアッテネーター:47ステップボリューム 周波数補正 \370,000(税別) HP700はモジュール対応となっており、特にフォノイコライザーアンプに力を入れて おります。カートリッジに合わせてモジュールをお選びください。 また今回イコライザーものオプションとして用意してあります。 どうしてもトーンコントロールを行いたいということであれば宜しいですが、 デフォルトの音が少し優しくなる傾向があるようです。 ヴォリュームを47ステップのアッテネーターもオプションでご用意しております。 こちらの場合はリモコンが使用できなくなります。 ●フロントパネル    左側は5段階切替(写真左) MUTING、GAIN HIGH、GAIN MID、GAIN LOW、BYPASS GAINに関しては音のニュアンスが変わってきます。 詳しい話は試聴レポートにて 真ん中はヴォリューム 右側は入力セレクター(写真右)  IN1、IN2はモジュール装着時のみ使用 ●リアパネル    入出力端子ともXLRを装備し、出力に関してはアースのフローティング切替が付いております。 AVで使用できるBYPASS入力も装備。 写真左下の部分いモジュールが装着されます。 ●電源部 筐体はHP300SEと同じですが、中身はちがいます。 電源部側に本体に供給用のケーブルが付いており(着脱不可)、本体とは着脱できます。 本体側には電源スィッチが付いておりません。
≪仕様≫
 
 
入力
RCA×3系統、 XLR×2系統
RCAホームシアター×1系統
選択可能なモジュール入力
出力
RCA×2系統、XLR×1系統
使用真空管
LINEステージ:12AU7、EF184×2
PHONOステージ 12AX7、12AT7、6922
消費電力
35W〜60W
重量
本体 10.8kg(搭載モジュール無)
電源部 4kg
サイズ(W×H×D)
本体 462mm×130mm×480mm 
電源部 110mm×H90mm×277mm
その他の仕様は輸入代理店のページをご覧ください。 代理店サイトはこちら それでは、試聴レポートをお届けいたします。 試聴システムは CD/SACD PLAYER TAD-D1000 \1,500,000(税別) PRE AMPLIFIER OCTAVE HP700 \1,700,000(税別) POWER AMPLIFIER OCTAVE RE290 \1,000,000(税別) SPEAKER B&W  802Diamond \2,000,000(税別) まずHP500SEをお持ちのお客様はゲインによる音の違いをご理解いただいていると思 いますが、この音の差はかなりのものです。 先に説明させていただくと HIGH:25dB=18.5 MID :18dB=7.8 LOW :12dB=4 簡単に説明させていただくと、ヴォリュームの位置が同じだった場合に音量はHIGH の方が音が大きく、LOWの方が小さくなります。HIGHの場合は低い位置でヴォリュー ムを使用することになります。 音の特徴としてHIGHゲインは華やかで透明感もあります。ただ少しハイ上がりに聞 こえます。LOWの場合は落ち着いた印象で暖かく感じます。 前回のHP500SEはHIGHとLOWの2種類ですが、今回はスピーカーや音の好みによって 3パターン設けております。 個人的印象ですとHP300SE寄りな音がHIGH、HP500SE寄りがLOWに感じます。 そこで今回の試聴は基本MIDで行うことにしました。 まず印象としてHP500SEとの比較になってしまいますが、サウンドステージが非常に 広くなっております。それでいて曖昧さを感じないところ。これが最初の大きなイ メージです。 カンターテドミノなどは天井の高さがより高くなった印象をもち、より教会で演奏 しているイメージが湧きました。オーケストラも一回り大きな会場で演奏している ように感じます。 アンビエンス成分も非常に増えており、響きが豊かでそれが嫌味に感じないところ が好印象です。情報量が増えていると思いますが、それが押しつけがましくないと ころ。これも非常に良い印象です。 ジャズですが、ブルーノート系はどうしてもきれいに感じてしまいます。躍動感が あるかと言われればちょっと品が良すぎる面もあると思います。ただJAZZでもキー スジャレットのECMの録音はその繊細なタッチが伝わってきます。ここではHIGH、MI D、LOWで比較しましたが、MIDが一番バランスが取れております。 ECMはドイツのレーベルだけあり相性が良いように感じます。 FOREPLAY、リー・リトナー、パットメセニーなどのフュージョンは明と暗をしっか り伝えてくれ、スピード感、グルーブ感も申し分無いですね。 アコスティックギターに関しては、どちらかというとGIBSONよりMARTINの方が似合 うような気がします。これはギター好きな方なら解ると思いますが、ブルースより もカントリーやフォークの方が合うようなイメージです。軽快で響きは良いのです が、渋さ深みといったところはちょっと苦手かもしれません。 ただLOWゲインにすることでストリングよりもギターのホールトーンが目立ちますの で、使い分けしていただくのも良いかもしれません。 あくまでも私の主観となりますが・・・。 女性VOCALとヴァイオリンは申し分なく素晴らしいです。 実際素直というよりも上手い色付けが品を高くしてくれており、それが心地よく感 じます。奥行き感もこれこそ程よいというところにVOCALの位置があり、安心感を覚 えます。 全体的に考えると若い音かもしれませんが、ここ最近こういったサウンドが少ない ということもあり新鮮に感じます。 HP500SEはフォノモジュールが最初から入って138万となると、実際抜いた場合は 120万前後の定価と換算できると思います。今回HP700SEは\1,700,000で50万アップ と考えればそのサウンドにも納得はいきますね。 ただ今から10年ぐらい前に発売されたHP500SEが古く感じなかったところもやはり このメーカーはプリアンプが秀でていると感じました。 この世界は新製品が出ても旧製品が好みということが良くある話ですが、今回のHP7 00SEはそのあたりを上手にサウンドコントロールしており、HP500SEの音色を生かし つつ、もっとスケールアップさせております。またゲイン調整で音をうまくコント ロールしているところも脱帽です。 さてOCTAVEですが、基本的にはアンバランス接続の方がOCTAVEの個性は生かすこと ができます。 ただどうしてもパワーアンプにバランス入力しかない場合などは変換プラグを使う よりも、バランスの接続の方が良いと思います。 OCTAVE同士は距離が長くないようでしたら、アンバランス接続が推奨となります。 入力に関しては、CD PLAYERがバランス推奨と唱っているいるところも多いですが、 個人的にはアンバランスでの接続の方がOCTAVEの個性が出せるような気がします。 ただ今バランスケーブルをお使いの場合はそのままバランスケーブルでお使いいた だいても何の問題もございませんので、ご安心ください。 最後に待ちにまったHP700の試聴後プリアンプが重要であることも改めて教えてもら った感じがします。 それと同時に素晴らしいプリアンプの登場に私も非常にうれしく感じております。 2014年8月24日 H.A.L.3 島 追伸 既にHP500SEをお持ちのお客様には特別キャンペーンを実施中です。 期間限定となりますので、早めにご相談ください。