2011年 11月26日 新製品試聴会「Speakers & Amplifiers」レポート

11月26日(土)に新製品試聴会「Speakers & Amplifiers」を開催させていただきま
した。

今回は満員御礼となり、ご参加いただいたお客様にはこの場をお借りして深く御礼を
申し上げます。
そして今回ゲストとして(有)アッカより木村氏、太陽インターナショナルより廣田
氏にご参加いただきました。両名にも深く御礼を申し上げたいと思います。

それでは、イベントのレポートをお届けいたします。

  

<プログラム.1>

AVALON IDEA と ADAM AUDIO Column Mk3をORPHEUSで演奏する

使用機材

●AVALON IDEA スピーカー \1,040,000(税別)

●ADAM AUDIO Column Mk3 \960,000(税別)

●ORPHEUS ZERO P Version 2 CD PLAYER \1,200,000(税別)

●ORPHEUS ONE SE MK2  D/Aコンバーター \1,100,000(税別)

●ORPHEUS TWO Version 2 \1,000,000(税別)

●ORPHEUS THREE M Version 2 \750,000(1台/税別)

使用ソフト



■ROXY MUSIC「AVALON」より♪More Than This

■LYAMBIKO 「LOVE...AND THEN」 より Over The Rainbow

■シューマン:交響全集(マーラー版)/東京交響楽団 スダーン指揮
 交響曲第1番 「春」より4楽章

ORPHEUSはユキムが輸入代理店、販売を(有)アッカが行うという今までにない
取り扱いになります。その経緯、そしてORPHEUSの魅力を語っていただきました。

その後にAVALON IDEAで上記3曲をご試聴いただきました。

AVALON IDEA、ADAM AUDIO Column Mk3 に関しては太陽インターナショナルの廣田さんにご説明を
頂いております。


AVALON ACOUSITCSは1985年に設立されたスピーカーメーカーですが、当時Avatarとい
うスピーカーがありましたが、サイズ、価格を考えるとそれを彷彿させるモデルでは
ないかと思います。当時密閉のイメージが強かったのですが、数年前を堺に、
チューニングポートと称して、底面にダクトをつけるようになっております。

AVALONはあまり低域の量感があるようなイメージはありませんが、このIDEAは
AVALON特有の空間表現の旨さと低域の量感も増え、安心して聞けるサウンドになって
いるイメージです。その低域が不自然に感じないところが今回素晴らしいところです。

次にADAM AUDIO Column Mk3に切り替えて試聴いただきました。

ADAMというブランドは単にアダムと思っていましたが、実際はアドバンスト・ダイナ
ミック・オーディオ・モニターの略ですが、なんとなく親近感が沸きます。
私自身この名前は以前より知っておりましたが、その音を聞いたのは、ある録音スタ
ジオと音楽のお仕事をしているお客様宅でした。スタジオではGENELECの独断上とい
われる中、少しずつADAM AUDIOのパワードスピーカーが増えてきているという話も聞
きます。

さてこのメーカーの特徴としては、ツィーターになりますが、詳しい話は
こちらをご覧ください。

音の特徴としてはモニタースピーカーとして使われるだけあり、高域の安定感と
位相特性の良さを感じます。スピーカーの筐体で音楽性を持たせることなく、ソフト
に対して忠実さを重視しているのが良く解ります。
もっと高域に特徴があるかと思いきや、滑らかな感じで聞きやすく感じました。
やはりしっかり聞いてみないと判断できないですね。

<プログラム.2>

 

150万オーバーのスピーカーそれぞれの個性とJEFFの新製品MODEL725の実力

使用機材

●Sonus faber GUARNERI Evolution スピーカー \1,700,000

●ELAC  FS509VX-JET スピーカー \1,800,000

●TAD TAD-E1 スピーカー \200,000(税別)


●B&W 802SD スピーカー \2,000,000(税別)

●JEFF ROWALND MODEL725 モノラルパワー 予価\4,000,000前後

●JEFF ROWLAND CHRUS プリアンプ \1,650,000(税別)


●ESOTERIC K-01 CD/SACD PLAYER \1,400,000(税別) 


使用ソフト



●手嶌 葵 「Christmas Songs」よりI Saw Mommy Kissing Santa Claus

●STEVIE WONDER 「SONGS IN THE KEY OF LIFE」よりSir Duke 

●THE OSCAR PETERSON TRIO 「WE GET REQUESTS」よりYOU LOOK GOOD TO ME

●サンサーンス 交響曲 第3番 4楽章
            指揮シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団 

まず太陽インターナショナルの廣田さんに新しいJEFF ROWLANDのパワーアンプMODEL7
25について簡単にご説明いただき、スピーカーの試聴に入っております。
このMODEL725ですが、大阪ハイエンドショーでお披露目を行ったばかりで、今回イベ
ントで用意してもらいましたが、価格もさることながら、かなり素晴らしい出来栄え
になっております。


スピーカーの試聴トップバッターはGUARNERI Evolution
今回唯一のブックシェルフ

女性VOCALの透明感、独特な臨場感は他に無い魅力を感じます。お客様によっては
曲によって背筋がぞくっと感じる時があるとのご意見も頂戴しております。

デザイン性など持つ喜びが高いスピーカーであることは間違いないですね。

次にELAC FS509VX-JET

JETツィーターというのが魅力のスピーカーですが、今回背の高さはダントツ(H1378
mm)。4ウェイの底面バスレフタイプのスピーカーになりますが、2.8kHzより上を持
たせているNEW VX-JETツィーターに秘密があります。本体背面にこのツィーターを前
後各8mm動かすためのノブがついております。前面からみて、後方に下げることで、
ホーンのような効果を得ることができ、リスニングポジションが離れているときに効
果的になったり、前に出すことで響きを持たせる効果があります。
但し、位相に問題が出てきますので、今回はデフォルト状態にしております。

まず背が高い=音像が上にいくかと思いきや、実に素晴らしい位置にVOCALが定位しま
す。このELACは独特な高域が特徴的ではありますが、そのイメージはあまり感じず、
非常に耳あたりの良いサウンドを聞かせてくれました。音の方向性を変えてきたよう
に感じますが、ハーモニーも非常に美しく、聴き疲れのないサウンドに仕上がってお
ります。ぱっときくとELACではないように感じます。

次にTAD TAD-E1(Evolution1)

Evolutionという言葉を略して型番に組み込んだのには大きな意味があるのでしょう。
今回底面にバスレフポートを装備し、そのポートから出た音をウーファーと同相で出
るようにコントロールしております。これを位相反転式フロア型と言っているようで
す。今回特徴としてネットワークを底面に装備、またスピーカーターミナルはベース
状になっている部分にバイワイヤーにて装備。ELACもベースの上に本体を装備、TAD
も同じような構造になっておりますが、これはB&Wを意識しているメーカーが増えて
いるとも感じ取れます。ウーファーは18cmコーン型を2基搭載しておりますが、2基使
用することで25cmのウーファーの量感を出すことが出来るとのことです。ユニット全て
東北パイオニアで製造されているのも何か親近感を感じます。

今回ご参加いただいたお客様も正直驚いておりましたが、良い意味で一皮向けたサウ
ンドになっております。こちらは色々な意味で、素直にしっかり出すイメージがTAD
には強かったのですが、音楽性がプラスされ、低域が非常にスムースでグルーブ感が
出て、聴いてて何枚もCDをとっかえひっかえ聞きたくなります。音が先に届く感じで
はなく、音楽を聴きたくなるというEVOLUTIONぶりです。

もちろん聴き方によっては神経質になる部分もありますが、アーティスト側と同じ音
楽を共有できるようなイメージを持ちました。

お客様のご意見として国産のスピーカーで始めてグルーブ感を感じた。デザインがも
う少し良ければ、ガチガチと思っていたところ、とてもバランスがよく各楽器がきち
んと聞こえる一方で、ハーモニーがハーモニーとして気持ちよく聞けたことが驚き
でしたなど様々なご意見が出ておりますが、それだけ皆様の関心があったのだと思い
ます。

最後にB&W 802Diamondを再生しておりますが、さすがの安定感とバランスの取れたサ
ウンドと聞き疲れの少ないスピーカーだと感じます。今回私は横でインストラク
ターを勤めさせていただきましたが、指向性の広さはB&Wはさすがだと感じました。

あっという間の2時間だったのですが、最後に欲しいスピーカーはどれですかとは聞
かず、もらえるとしたらどのスピーカーが良いですかとお尋ねしたところ。

アンプのせいもあり、後半戦のELAC、SONUS FABER、TAD、B&Wに絞り込まれました。
18名のご参加で●●が6名 ●●が5名、●●が4名 ●●が3名という結果です。

イベントの醍醐味ということで商品名は伏せさせていただきます。

これが皆様の素直な意見と考えると、非常に参考になりました。

お集まりいただいたお客様の中には同クラスのスピーカーやそれ以上のスピーカーを
お持ちのお客様も多かったのですが、今持っているスピーカーを買ってなければこれ
だななど良い意見をお聞かせいただけました。

正直私もお客様の立場で聞きたっかたと思うぐらい面白い比較が出来ました。

これを元にそれぞれのスピーカーの魅力に迫っていければと思います。


2011年11月28日 ダイナミックオーディオ5555 島 健悟