「アナログ三昧」試聴会レポート

4月28日(日)に開催させていただいた「アナログ三昧 試聴会」ですが、盛況のう
ちに終了させていただきました。

ご参加いただいたお客様へはこの場をお借りして御礼を申し上げます。

また当初の予定より大幅に伸びしてしまいご迷惑をおかけして申し訳ございません
でした。

それでは、当日のレポートをお届けさせていただきます。

使用機材
プリアンプ OCTAVE HP300SE \840,000

パワーアンプ OCTAVE RE290 \1,050,000

スピーカー B&W 802SD ピアノブラック \2,100,000





プログラム1:アナログプレーヤー 比較試聴

	カートリッジ:DENON DL103

	フォノイコライザー:AURORA SOUND VIDA	\312,900
	
	


VPI:SCOUTMASTER II	\525,000

2009年7月初旬発売
電源部は独立しており電源ケーブル着脱式
アームはワンポイントアーム。
アームケーブルは付属されておりませんでしたので、フルテックのアームケーブル
を使用。(RCAタイプ)




HANSS & POLE STAR :T-20&PS-UNV2(アーム)	\398,000/\189,000

基本はアームレスで販売しておりますがPOLE STAR PS-UNV-2を搭載したモデル
(オープン価格)もご用意しております。
アームのPS-UNV2はスタティックでユニバーサルアーム
電源部は独立しており、更に回転数をコントロールする電源ユニットが
別筐体になっています。ダブルアームも可能なモデル




LINN : MAJIK LP12 \451,500


LP12本体+PROJECT社製アーム+MMカートリッジADKIT付属
LP12エントリーモデルとして発売。

今回用意したアナログで唯一のフローティング構造

今回の試聴ではDENON DL103を使用

基本的には販売店で組み立てを行い、お客様ご自身ではセットアップは難しいプ
レーヤー




LUXMAN:PD-171\414,750

2011年発売した国産上位プレーヤー。
アームはスタティック型のユニバーサルアーム。
ベルトドライブで国産ならではの使い勝手の良さ



DR.FEICKERT  Woodpecker2 \619,500

アームレスで9〜12インチのアーム搭載が可能。 2005年に起業した新しい会社で、
素材に非常にこだわったプレーヤー
デモ使用時はSMEの名機3012Rを使用しました。

///使用ディスク///

●PIRATES / Rickie Lee Jones
	ユキムオンラインストア

●Dvorak 新世界 /Kertesz (ESOTERIC盤)



島コメント

全てのアナログプレーヤーを同時にラックに乗せた状態でのデモは難しい為、最初
はVPIとHANSSをセットし試聴を開始しました。QUADRASPIREのラックを使用しており
ますが、条件は同じにしております。
この2機種はモーター部分が別となっている為、手間を考えてこういった順番になっ
ておりまず。それからフローティングタイプのLINN、そして
国産代表のラックスマン、そしてDR.FEICKERT。DR.FEICKERTに関しましてはSMEの
ロングアームということでちょっと反則だったかなと思います。

アームによる影響もありましたが、基本的な方向性は解っていただけたのではない
かと思います。

プログラム2:アーム比較試聴

	プレーヤー : HANSS T-20
	フォノイコライザー:AURORA SOUND VIDA	\312,900
	カートリッジ :IKEDA	9TT	\250,950




POLE STAR PS-UNV2(アーム)	\189,000




IKEDA IT-345(アーム)\409,500


///使用ディスク///

●LIVE AT MASSEY HALL  / Neil Young
	ユキムオンラインストア

●Plays Kodaly/Starker
	



島コメント

HANSS T-20はダブルアーム可能ですので、こちらでアームの違いをお楽しみいただ
きました。また多少ですが、アームに関する話をさせていただき、その後に今回ゲ
ストのカジハララボの梶原さんにIKEDAのアーム、そしてもともとは梶原さんプロデ
ュスのPOLE STARの説明をいただきました。

ダイナミック型のIKEDAのアーム、スタティック型のPOLESTARといたっところでしょ
うか。違いは顕著に出たと思います。

さて28日にヤーノシュ・シュタルケル氏がお亡くなりになったことを29日に知りま
した。偶然ですが、私のリファレンスにしているCD、アナログのの演奏家ですので
さびしく感じます。ご冥福をお祈りしたいと思います。


プログラム3:カートリッジ比較試聴

	プレーヤー : HANSS T-20

	フォノイコライザー:AURORA SOUND VIDA	\312,900

	アーム : IKEDA IT-345 \409,500
	



IKEDA	9TT	\250,950

My Sonic Lab	EMINENT GL	\367,500

Phasemation PP-300 \131,250


LYRA	SKALA	\336,000


ORTOFON CADENZA BLACK	\236,250



///使用ディスク///

●SINATRA'S SINATRA / Frank Sinatra
	ユキムオンラインストア

●Plays Kodaly/Starker



島コメント

カートリッジの比較試聴ですが、LYRA以外は各メーカーが用意したシェルを使用し
ております。

さて1回1回高さ調整して、ゼロバランスをとって、針圧をかけるのが普通ですが、
ここではメーカーの個性を感じ取っていただけることをメインに考え、取り換えの
スピードを重視させていただきました。

ダイナミック型のアームでしたので、目盛を予めメモしておいて、適正針圧をかけ
た状態にしております。またアームの高さに関しましても、シェル込のそれぞれの
カートリッジを計り、基本的には平行。もしくは若干おしりが上がっている状態に
しております。

ここではカートリッジに関するお話(スタイラス、カンチレバー)などの小話をさ
せていただきました。

それぞれ特徴があり非常に面白い試聴が出来たのではないかと思います。

ここでのカートリッジの付け替えは天野が行っております。
(本人は高級カートリッジだけにすごく緊張しておりました)

実はIKEDAのアームの目盛は非常に見にくく、若い天野がやってくれました。

ご苦労様でした。


プログラム4:フォノイコライザー比較試聴

	プレーヤー : HANSS T-20

	アーム : IKEDA IT-345 \409,500

	カートリッジ:LYRA SKALA \336,000



AURORA SOUND	VIDA	\312,900



OCTAVE	PHONO MODULE	\719,250



Phasemation	EA-3/2	\204,750



LINN	UPHORIK	\315,000



///使用ディスク///

●SO LONG SO WRONG / Alison Krauss&Union Station
	ユキオンラインストア

●MOZART PIANO CONCERTO/CLIFFORD CURZON(ESOTERIC盤)



島コメント

ここではLYRAのカートリッジを使用いたしました。
私の悪い癖でプログラム3のカートリッジ比較でお好みのカートリッジの手を挙げて
もらい一番人気のカートリッジを使用したという経緯です。

もちろん意見は分かれましたので・・・

高解像度のもの、透明感たっぷりなもの、ふくよかなものなど・・・
しっかりその違いをご理解いただけました。

ただOCTAVEだけ金額の問題もあり頭一つぬけていた感もありますが、
個性で勝負できたブランドもありました。


プログラム5:同一メーカーによるカートリッジ比較

	プレーヤー : HANSS T-20

	アーム : IKEDA IT-345 \409,500

	フォノイコライザー :OCTAVE PHONO MODULE \719,250





ORTOFON	SPU Spirit	\126,000

ORTOFON	CADENZA BLACK	\236,250

ORTOFON	MC ANNA	    \630,000


///使用ディスク///

BOY / U2
	ユキムオンラインストア http://www.yukimu.net/?pid=32063627


島コメント

老舗のortofonですが、かなりのランナップがあります。その音を私もしっかり聞い
てみたいということで用意させていただきました。
最後はU2をかけさせていただきましたが、低域の出方、響き、情報量などに違いは
出ましたが、どれを聞いてもORTOFONであったという印象です。
これはあるいみさすがといったところでしょう。

総評

今回13時半から16時ということでプログラムを組んでおりましたが、実は私の時間
の勘違いで17時近くまで伸びてしまいました。

今回大きなトラブルも無い中で伸びてしまった理由としては、プログラムに無理が
あったと言ってしまえばそうなるかもしれませんが、私も夢中になってしまい話も
多くしてしまった部分も多かったと思います。。

アナログに関してはCDと違って手間もかかりますが、その分愛情も入ったりします。
またCDでは味わえないサウンドを楽しむことが出来ます。

しかしこの試聴会は我々も緊張の連続だったのですが、(特に頭出し)暖かくお客
様がご参加いただけたことがうまくいった理由だと思っております。

実際アナログファン、そしてメーカーからするとこのイベントは否定的に思われる
部分も多くあったかもしれませんが、
「アナログプレーヤーを欲しいのですが、どれを選んで良いのか解らない」
「カートリッジを選びたい」
「アームで音って変わるの?」

実際アームもユニバーサルのものは減り、アームに直接カートリッジを取り付けて
しっかりセッティングするものの方が多いと思います。
実際H.A.L.3の展示プレーヤーでユニバーサルアームは使用しておりません。

実際お客様も販売店にそういうリクエストもしにくいと思います。

カートリッジのお貸し出しも事故があるといけませんので、なかなか難しい部分も
あります。

しかし今回このイベント企画の背中を押してくれたのはお客様の一言でした。

「アナログプレーヤーをじっくり選びたい。」

アナログプレーヤーを選ぶということはカートリッジも選ばなくてはいけません。
そしてフォノイコライザーもですね。

それを今回まとめて行った結果がこのイベントでした。

労力と気苦労は多かったですが、我々も非常に勉強になりました。

お客様に楽しんでいただけるイベントを今後とも続けていければと思っております
ので、引き続きご愛顧いただければと思います。

改めて今回ご参加いただいたお客様へは深く感謝を申し上げます。

また早速ご注文いただいたお客様へ重ねて御礼を申し上げます。

追記



当日使用アナログの写真はこちらです。





2013年5月2日 島