DYNAMICAUDIO 5555/5F/諸石

H.A.L's 「M」 Recommendation!

VOL.12

「CX-7eMP」 & 「AX-7e」
CDプレーヤー&プリメインアンプ

AYRE「CX-7eMP」&「AX-7e」
AYRE  「CX-7eMP」 & 「AX-7e」 
■「CX-7eMP」 定価:¥514,500 (税込) ■「AX-7e」 定価:¥514,500 (税込)
 
アメリカ・ボルダーに本拠地を置く「Ayre Acoustic」。

独特な音量調節機構を備えた伝説的なプリアンプ「K-1(終了モデル)」で、多くの方々を魅了して来た事が記憶に残っています。
ここ数年の大きな評判はやはり、フラッグシップ・モデル「MX-R (モノラルパワーアンプ)」、「KX-R (プリアンプ)」でしょう。 アルミ削り出しの筺体と、そのコンパクトな美しい外観から生まれる宝石のような容姿には、誰もが惚れ惚れしてしまうでしょう。

特に最近では、新たにリファレンス・シリーズに加わるステレオパワーアンプ「VX-R」が発売間近という事で、各所で話題になっております。
しかし、形やデザイン、金額や蘊蓄・・・等は二の次で、一番評価されているのは、当然出て来る「音」にあるわけです。
そのトップエンドのリファレンス・シリーズから生まれる音は、あくまで自然体で誇張することなく聴き易く、ふっくらとして、風の様に軽々とした低域を味わえる所にあるのでしょう。
そして“Ayre”には、高額なフラッグシップ・モデルだけでなく、シンプルなプリメインやCDプレイヤー、USB DACまでラインナップがございます。

注目して頂きたいブランドです。
そこで今一度、見直す意味も込めて“Ayre”製品についてご紹介させて頂きたいと思います。

今回のご紹介するモデルはリファレンス・シリーズの弟分に当たるモデル達、
CX-7eMP(CDプレーヤー)   ■ AX-7e(プリメインアンプ)   です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
製品スペック

    ≪CX-7eMP:CDプレーヤー
  • 最大出力レベル : 2.25V rms(アンバランス)、4.5V rms(バランス)
  • 周波数レスポンス : DC−20kHz
  • S/N : 110dB(uw)
  • ディジタル出力 : AES/EBU(1系統)
  • 消費電力 : 30W
  • 外形寸法 : (W)440×(D)350×(H)120 /mm
  • 重量 : 11.5kg
  • リモコン付属
    ≪AX-7e:プリメインアンプ
  • 出力 : 60W×2(8Ω)、120W×2(4Ω)
  • 最大入力レベル : 4V rms(アンバランス)、8V rms(バランス)
  • 入力インピーダンス : 20kΩ(アンバランス)、40kΩ(バランス)
  • ゲイン(@MAX) : 35dB
  • 周波数レスポンス : 2Hz−200kHz
  • 消費電力 : スタンバイモード 20W・操作モード(無信号時) 70W
  • 外形寸法 : (W)440×(D)350×(H)120 /mm
  • 重量 : 11.5kg
  • シルバー仕上げのみ
※その他、製品詳細につきましては、メーカーサイトより、ご確認下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Ayreの素晴らしい所は、オーディオ機器である以上、“音質のクオリティの高さ”は勿論第一番の要素です。
そしてもう一つ大事なのが、“一製品がロングセラーである”という事も挙げられるでしょう。
つまり、新モデルを次々とリリースして、ラインナップ・モデルがころころ変わってしまうのが少ないという事です。 ユーザーに、“自社製品のモデル一つ一つを末永く愛用して欲しい”と考えているブランド、という点も、作り手として信頼のおける、非常に素晴らしい姿勢だと思います。

商売的には次々と新製品が出した方が良い部分もあると思いますが、自社製品に対して愛情と自信があるのであれば、数年でモデルチャンジする必要はない、という考えなのでしょう。
その後、明らかな技術革新が出てきた場合はバージョンアップ対応という形になっています。安易な買替え誘導はしないとも取れる姿勢だけに、ユーザー思いのメーカーとも言えますね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、この「CX-7eMP」自体は2004年発売の「CX-7e」というモデルのアップグレード版で、その元となった「CX-7」自体は2002年発売のプレーヤーです。 今回は“MPデジタル回路”を備え、新モデルにするというのではなく、メカを含め“改良版”として「CX-7eMP」という形での発売となりました。 “改良版”という事ですが、そのクオリティは、以前の音やパフォーマンスからは大きく向上しています。
※旧モデル「CX-7e」をお持ちの方は、別途料金にてバージョンアップも承りますので、ご相談下さい。
Ayre Acousticは今までの経歴から“アンプの方が強い”という印象もありますが、ここ数年では高品質で人気商品となっているUSB DAC「QB-9」などの デジタル機器にも力を注いでおり、高評価を得ています。

今回の「CX-7eMP」はこれまでとデザインの変化はないものの、内容と音は明らかに進化をしていて、情報量の豊富さから来る滑らかさには感心するところです。
今までのCX-7eをほぼ基本にしながら、新テクノロジーの“MP Filter(ミニマム・フェイズ・デジタル・フィルター)”を搭載。 MP Filterは高品質USB DAC「QB-9」で開発されたAyre自信のデジタルフィルターです。

型番は同じながら心臓部のメカ、デジタル部の大幅なブラッシュアップですから、新型とも言える改良版でしょう。

Ayreの良さといえば自然で聴きやすい音だと思いますが、じっくりと聴いて頂くと、非常に静かな音場に、磨かれた音が味わえます。
低域は神経質な音にはならずに、情報量が豊富で気持ち良く聴けます。

リモコンでも操作出来ますが、基本的にはフロントパネルでも可能です。
このリモコンは対となるプリメインアンプ「AX-7E」とも共有出来ます。
CX-7eMPリモコン

リアパネルは実にシンプルで、アナログ出力RCA / XLR各1系統ずつとデジタル出力(AES/EBUのみ)のON/OFF。(下の左画像)
そして、CX-7eMPのデジタルフィルターは背面にて切り替えられます。(下の右画像)
CX-7eMPリアパネル  CX-7eMPリアパネル
  • Listen】: インパルス応答におけるプリエコーを排除し、ポストリンギングも1サイクルに抑え、16倍オーバーサンプリングという、通常よりもシンプルな回路構成
  • Measure】: 22.05kHzに達した所で急激に遮断される特性。プリエコーはないがポストリンギングが徐々に収束するタイプ
内部のアナログ回路はAyre伝統のゼロフィードバック/ノンサーボ回路です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて、試聴ですが、プリメインアンプは対となる「AX-7e」、デジタルアウトは“OFF”、デジタルフィルターは“Listen”を選択、そしてスピーカーはKRIPTON「KX-1000P」というシステムで 聴いてみました。


「AX-7e」はミドルクラス・プリメインアンプと思いきや、Ayre伝統のゼロフィードバック回路に前段バランス回路と、Ayreのセパレート機とほぼ同等の回路です。 音量可変もK-1等のプリと同じく1dBステップ・アッテネーター式。前段バランス回路という事もあり、背面の位置もシンメトリーで分かり易いです。(下画像) スピーカー出力端子は、CARDASのスピーカーターミナルです。両方同時に締める事が出来ます。
AX-7Eリアパネル

フロントのスイッチは“INPUT”、“VOLUME”等の表記ではなく、ユニークな記号になっています。(下画像) こういった処にも遊び心を感じますね。(少し分かり辛いかもしれませんが・・・)

AX-7eフロントスイッチ部 
ちなみにフロントスイッチは上から左→右の順に
・「ミュート」 ・「XLRインプット1(☆)」
・「TAPE ON/OFF」 ・「XLRインプット2(土星?)
・「ディスプレイ ON/OFF」 ・「RCAインプット1(彗星?)
・「電源 ON/OFF」 ・「RCAインプット2(三日月)」  となっています。
インプット端子の上に記号が書いてあるので、良く見ればお分かり頂けると思います。

Ayre推奨が“Listenポジション”という事でこちらに設定しています。
出力はバランス出しが優先ですので、XLR。

まずは静かで、S/Nの良さを感じます。
音色は滑らかで柔らかく、刺激的な音は出さずに、楽に聴かせてくれますし、空間表現が秀逸です。 AX-7e自体のパワーは控えめですが、力の勢いで鳴らすのではなく、仲良く肩を組んで歌っているような楽しさを感じます。 レンジもこの価格帯とは思えない広い音場と奥行きも上質です。

細かい事に神経質にならずに、音楽を全体として優雅に聴けます。
これぞAyreサウンドでしょう!
平面的な音とは真逆で、音楽を楽しく聴けます。

以前のモデルと同時比較試聴こそしていませんが、間違いなく今回のモデルは、同価格帯の多くの他社製品の中でも優秀と言えるでしょう。 他メーカーとの組み合わせもしやすい様に思えます。情報量豊富で、レンジも上質、非常に聴き易いです。

「CX-7eMP」の方は、新たにMPデジタルフィルターを搭載し、メカもTEAC製のCD専用のメカを採用、今までのCX-7から大きく開花しました。 50万内のCDプレイヤーというカテゴリーでは非常に優秀な製品です。
如何にもオーディオです、という主張や脚色を感じずに楽しく聴けるのがこの両者の最大の良さでではないでしょうか。

-お問い合せはお気軽に諸石までお尋ね下さいませ-