DYNAMICAUDIO 5555/5F/諸石

H.A.L's 「M」 Recommendation!

VOL.7
AUDIA
 「FLIGHT PRE MK3」
プリアンプ

FLIGHT PRE MK3
AUDIA 「FLIGHT PRE MK3」
定価:¥942,900 (税込)
 
“AUDIA(オーディア)”は日本に輸入され始めて4、5年前程経つ、イタリアのオーディオ・メーカーです。あまり聞き馴染みのない名前かもしれませんが、音色は非常に上質で評判も良いです。 今回ご紹介致しますのは、その現在のトップ・ラインになりますプリアンプ「FLIGHT PRE MK3」です。

まずはスペックからご確認下さい。
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≪スペック≫
  • 全高調波歪率 : 0.05%以下
  • S/N比 : 105dB
  • 周波数特性 : 3Hz〜1MHz-3dB
  • スルーレイト : 200V/μs以上
  • ゲインコントロール : -90dB〜+10dB(最小〜最大)
  • ゲイン分解能 : 0.5dB
  • 入力インピダース : 51kΩ/680pF(シングルエンド)、30kΩ(バランス)
  • 出力インピダース : 12Ω(シングルエンド)、50Ω(バランス)
  • 消費電力 : 120W
  • サイズ : 420(W)×113(H)×380(D) /mm
  • 重量 : 15kg
※その他製品詳細につきましては、メーカーサイトをご覧下さい。

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Flight Preは販売開始から“ノーマル”→“ MK2 ”と経て、現在の最新ヴァージョンは“MK3”となっています。

AUDIAはCDプレーヤーからプリ、プリメイン、パワーアンプというラインナップになっておりますが、やはりプリアンプ「FLIGHT PRE MK3」とステレオ・パワーアンプ「FLIGHT 50」(定価:¥1,029,000)の組合わせには、 他には替え難い音色と表現力を味わえますし、セパレートの魅力を非常に強く発揮出来ていると思いますので、今回はこの「FLIGHT PRE MK3」、「FLIGHT 50」にフォーカスを当ててご紹介したいと思います。

FLIGHT PRE MK3内部 一体型固体でありながら、内部は電源部をシャーシの下部に、オーディオ基板部を上部に配置した上下2層構造になっています。
またプリアンプでありながら、電源部は“L/Rチャンネル独立”となっており、左右一個ずつ、コントロール部分にも一個と、計3個のトロイダルトランスを搭載しているなど細部まで拘っています。
FLIGHT PREは輸入初めの頃はFLIGHT PREですが、その後MK2となり、今回のMK3が最新Verとなります。ちなみにAUDIA製品の中で、プリアンプは現在このFLIGHT PRE mk3のみとなっております。

FLIGHT PRE MK3フロントパネル FLIGHT PRE MK3リモコン
FLIGHT PRE MK3はシンプルなプリアンプですが、基本的なコントロールはフロントパネルで操作可能で、パネルには左より“ON、INPUT、REC、DIM、BAL、MUTE”(写真左)となります。

付属のリモコン(写真右)でも同様に操作可能です。またリモコンを使った“SET”での操作では、“SET GAIN INPUT”、“SETSTAND BY”の調整が可能です。
“SET GAIN INPUT”は“各入力のGAIN調整”で、入力の低い機器などに接続した際に最大ゲインを6dBまで上げる事が出来ます。
“SET STAND BY”は基本設定はOFFになっており、これは普通にSTANBYにすると電源が消えますが、ONにするとコントロールや表示は消えますが内部は通電モードになります。 常にベストの状態で聴かれたい時はONにして頂ければ良いと思います。

このリモコンも厚みのあるアルミ製で非常に重厚で、持ちやすく傾斜が付いており、しっかりとした作りになっております。製品と同等にリモコンにまで気を配っている点が嬉しいですね。

ちなみにFLIGHT PRE MK3は音量を調整する際に、極々僅かですが音量可変時に限りですが、“サッサッ”という僅かな音がしますが、音量機構の構造で、不具合等ではありません。音楽再生時になる事は無く、可変時に限ってです。
また、2点おおよそゲイン「47」と「19」辺りで、極僅かに“プツッ”と音がします。このアナログアッテネーターの回路構成は「Low(低い音量)」と「High(高い音量)」の2段階で構成されていますが、47(Low)と19(High)はその切替えポイントで、 設計上でどうしても出てしまう音であり、これも音量を変える時のみに出る音で、音楽再生中には出ません。音量機構での増減でなるものです。


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さて、試聴はやはり同社パワーアンプ「FLIGHT 50」との組合せです。

AUDIA独自のカレントフィードバック回路の純Aクラス動作から来る音色は魅せられるのです。 艶のある柔らかさと広い情報量を持ち、それでいて刺々しい嫌な音を出さず開放感に溢れ、目の前に広く柔らかくステージを再現させます。
日頃、多くの製品を試聴・吟味してご紹介していますが、このAUDIAの艶やかな音色は素直に惹かれるものです。
特に微細な音量での表現力も優れ、ずっと聴いていても、全く疲れを感じません。

FLIGHT PRE MK3は、コントロールセンター/プリアンプの重要性を、非常に大きく感じさせるものです。
もちろんオーディオは組合わせの全体バランスなので、パワーアンプとの兼ね合いもありますし、特筆したS/Nの良さ、高解像度・・・等、最先端スペックを競わせるようなブランドではないですが、 “オーディオ的”と言うよりも“音楽的”に楽しめるこのプリの能力は、素晴らしい製品だと思います。

ただ、どの製品でも電源投入後すぐの音と、しばらくして暖まって来た後の音とではなった感じは異なりますが、AUDIAでは特にその違いが顕著に出ます。 アンプ自体の立ち上がりが遅めなので、立ち上げすぐにご試聴頂いたた場合で判断されると、暖まった時の音色と大きく印象が異なるというのが、これまでの経験上言える事です。 寝起きすぐの音は、悪く言うと荒々しく神経質に感じる事があります。
出来れば電源を落とす場合でも、スタンバイで待機して頂くと1時間程で調子が戻って来ます。
ですので電源をOFFしても内部回路には通電している上記のSET STANBYモードにされる事をお勧めしています。
ご試聴頂くのは、是非目覚めた後の音を聴いて頂きたいです。

パワーアンプとの組合わせも特別得意不得意は感じられずにどの組み合わせでも良好になりますが、同社のFLIGHT 50との組合わせは流石に素晴らしいです。
価格が倍以上する製品と組み合わせる以上にこのFLIGHT PREとFLIGHT 50の組合わせはトータルでの良さがあります。

「最先端スペックが売り!」というような製品ではないですが、スペックや帯域特性などを気にせずに、どんな音楽を聴いていても、 ほとんど不満はないどころか、音楽にどっぷりと浸かれる柔らかく気持ちの良い音です。
アコースティックの微妙な弦のタッチから、オーケストラのスケール感、ヴォーカルの人肌の質感・・・ets、様々に楽しめます。

飽きの来ない音とでも言いましょうか、AUDIAのセットを前にすると、ずっと手持ちのDiscを聴いていたくなるのです。