DYNAMICAUDIO 5555/5F/諸石

H.A.L's 「M」 Recommendation!

VOL.6

TAD PRO 「TSM-2201-LR」
スピーカー

TSM-2201-LR
TAD 「TSM-2201-LR」
定価:OPEN
※販売価格:¥157,500 (税込)
 
古くから歴史と技術も有り現在も精力的にハイエンド製品をリリースし続けている頼もしい国産メーカー“TAD(TECHNICAL AUDIO DEVICES LABORATORIES)”より、プロ向けスピーカーシステム「TSM-2201-LR」が発売されました。
サイズ・価格ともにお手頃なブックシェルフ型モニタースピーカーですが、業務用としてしっかり作られたこの製品を今回ご紹介致します。

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≪スペック≫
  • 型式・構成:密閉型/2ウェイ
  • ドライバーユニット:
    LFドライバー:20cmコーン型
    HFドライバー:2.5cmメタルドーム型
  • 再生周波数帯域:50Hz〜40kHz(−10dB)
  • クロスオーバー周波数:2.3kHz
  • 最大入力(JEITA):160W
  • 出力音圧レベル:86dB(W/m)
  • インピーダンス:4Ω
  • 外形寸法:260(W)×348(H)×253(D) /mm
  • 質量:7.8kg(1台)
  • 付属品:専用脚(丸型×4、棒型×2)
※その他製品詳細につきましては、メーカーサイトをご覧下さい。

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まず誰もが気にするでしょうこの形ですが、メーカーHPにもあるように
Σ(シグマ)テクノロジー
と呼ばれるもので、「ユニットからの反射音のコントロール」を追求した結果の形です。

この形状にする事によって、LFユニットからの反射は斜め上方に、HFユニットからの反射は斜め下方に逃げて行きます。
これが一般的な垂直面のキャビネットだと、2本のスピーカー間で反射が起きるとの事です。 今回のこの形(Σ型)で反射を意図的に変形し、中の元音が反射音に影響されにくくなり、更にキャビネット内の定在波も減りました。
そして、この形にすることにより、単なる四角い箱型キャビネットより固体の剛性も高くなるでしょうし、 本体が発する振動による歪も大きく減少していると思います。
まずは聴いて頂ければ、歪の少なさを感じて、この形の効果を実感頂けると思います。

また変曲点(Σの凹み部)を作った事により、発生する音をこのサイドの吸音材を設置する事で処理しているとの事です。
(写真右→)
なのでただのデザインではないのです。初見ではバスレフポートかと思いましたが・・

ツィーター  ウーファー
このドライバーは良く見ると、凹みというか、ウェーブ状の形状が見えると思います。
これがこの「DECO(Diffusion effectual Convexity by Olson:50年前のRCAエンジニア、Harry Olsonによるもの)」という技術によるものです。

ウーファーに施されたこの「DECO」による効果は、音の発生の上下へのエネルギー放射を左右に反射させることが可能になります。ツィーターでも同様の「DECO」を採用していますが、 ツィーターでは下側だけにウェーブガイドがあります。
ウーハー、ツィーター、それぞれのユニットに合わせた「DECO」を設ける事により、にじみの無いユニット毎の独立した鳴りが得られるようで、それは音離れの優秀さで感じて貰えると思います。

非常に無理の無い真面目な鳴り方です。海外ブランドの様なリアルとは異なるが独特な包み込まれる様な魅力がある、という製品が多く存在しますが、ある意味対極とも言える部分を持っています。
しかし、モニターであれば正確だが、無機質。という印象もありますがTSM2201にはそれがなく良い意味で無難に鳴らすのです。ただアンプやセッティングのノウハウなどは著実に音色や再現に反映されます。
ちなみに試聴でのポイントはあまり内振りにせず、ほぼ正面置きで僅かに振る程度です。内振りを強めると、多くの製品と同じようにストイック気味になります。

ご試聴頂いた方には、評判も上々ですが、まず“あまり(と言うかほとんど)TAD PRO/TSM2201LR自体見かけない”という声や、“実際に聴いてみたかった”といった声も多く聞きます。 現時点では、展示店が非常に限られていますので、なかなかお聴き頂けない事も多いようです。音色はモニターという面も持っているので、業務用での販売もすることから展示のあるのは一部の楽器店と、 当店くらいの様です。

そしてTADブランドのスピーカーで、ここまでエントリークラスの価格帯での製品を出して来るという事は、個人的にも非常に興味深いのですが、試聴してみるとやはり、“これが実質15万円のスピーカー?”と思うほどクオリティは高く、 “意図的に音を作る”というよりは、入った信号をそのまま無機質にならずに聴かせるという、良い意味で“正統派モニター”という立場と、“音楽を純粋に楽しませる”という面と両立しています。
あくまでストレートな表現ながら、セパレーション良く目の前に音像を再現出来るというのは、この筺体の中に数多くのTAD PROの技術が秘められていると言う事でしょう。

現在当フロアでは、Acoustic Revibe社製のスピーカースタンドを使用しています。
かなりの重量と硬質性を持ったスタンドですので、スピーカーの再生にも大きく影響し、音が乗ります。
ブックシェルフ・スピーカーの場合、スタンド選びも音の内、と捉えて頂きたい程に影響力があり、それを素直に出せる潜在能力を持っていますので、次にはお好みに合った、良質なスピーカースタンドを選んで頂ければと思います。