DYNAMICAUDIO 5555/5F/諸石

H.A.L's 「M」 Recommendation!

VOL.3

Grimm AUDIO 「CC1」
マスタークロック・ジェネレーター

〜MASTER MODE編〜

CC1
Grimm AUDIO 「CC1」
定価:¥522,900 (税込)
 
“トランスポート、D/Aコンバータを高精度なクロックで同期させると高音質になる”・・という事は大分前から言われていたのですが、それは確かな事。
機械にもよりますが、意外なほどの変化を見せます。

現在では様々なクロックジェネレーターが発売されていますが、その中でも特にお勧めしたい製品が、今回ご紹介させて頂きますオランダ生まれのGrimm Audio「CC1」です。

この分野では大きく先陣を切った国産ESOTERICの“究極の精度追求”とはまた違った目線で、“デジタルにおける歪となるジッターを出来るだけ減少させ、ノイズを低くする事”で音質の改善を目指しています。

“マスタークロック・ジェネレーター”というものは、簡単に言ってしまえばデジタルプレイヤーを制御している言わば時計軸を、外部から高精度な時計で同期させる事により、 更に安定、高音質な再生が期待出来るという機器です。勿論これ単体では音は出ず、使用出来るものもWord入力に対応している製品に限られてしまうのですが、 最近は様々な形態で対応可能な製品もありますので、もしお持ちの機器で試せるなら効果は非常に期待出来ますのでお勧めしたい所です。

また、単に精度を上げる“時計”としての効果だけでなくという、やはり各メーカー固有の音色を持っています。 それはメーカーとしてのチューニングなのかもしれませんが、例えばESOTERICのクロックは明らかにESOTERICの音を出すのです。 こういう点も、オーディオの一つの製品として面白い所ですね。

それでは前置きはここまでにして、「CC1」の解説に入ります。

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    ≪ スペック ≫
  • クロック周波数(マスターモード):44.1 / 48kHz(及び、その2倍・4倍)
  • 内蔵クロックジッター : <2.1PS RMS @ 10Hz・ <20fs RMS @ 100Hz
  • ワードクロック出力 : 16×BNC 75Ω / 30Ω(LOW:選択可能)
  • ワードクロック出力電圧 : 2.7Vpp(終端有り) / 5.5Vpp(終端無し) DC coupled
  • クロック精度(マスター) : ±1PPM @ 25℃
  • クロック精度(スレーブモード) : ±0.01PPM @ 25℃
  • PLL性能(スレーブモード) : 90dB減衰 @ 10Hz 60dB / dec改善
  • ワードクロック入力スレッショルド : >0.5Vpp
  • ワードクロック入力 : BNC 75Ω
  • 頻度ロック範囲(スレーブモード) : ±50PPM
  • 電圧 : 100VAC +/−10%
  • 消費電力 : 15W
  • 寸法・重量: 430(W)×200(D)×44(H) / mm・4.0 kg
※詳細は輸入元ハイエンドのHPをご覧下さい。

↓「CC1」リアパネル(クリックで拡大します
「CC1」リア
■ デジタル出力:BNC×16系統、AES/EBU×1系統
■ デジタル入力:BNC×1系統、AES/EBU×1系統

フロントパネル フロントパネルは非常にシンプルで明快です。
一番左側の「SOURCEボタン」が2つのベースクロック(44.1/48kHz)の切替、「I」と「II」の2つのボタンはリアパネルにある16個のBNC出力端子を設定するボタンです。 I側は(リアパネル左側から順に)“1-12番”のBNC出力端子、II側は“13-16番”のBNC出力端子の設定を行います。“×2”、“×4”でベースクロックをアップサンプリングする事が出来ます。

本体自体は4kgと非常に軽いです。フロントパネルは質感の宜しい木材を採用し、天板は正直薄めの金属パネルです。
まがりなりにもコストをかけた作りではないです・・しかし、チープ一辺倒にならずに、内容勝負、音勝負という意気込みを感じてしまうのも事実です。
ハイエンド機器にしてはシンプルなデザインと仕上げですが、それはコンシューマー用途ではなく、音質や実用性重視のスタジオ関連のプロ用途という事も少なからずあると思います。
クロックジェネレーターで音は非常に変わるのですが、時に本来の音色から変えてしまう程影響力のある製品も中にはあります。
しかしこのCC1は、あくまで製品の個性や性能を後押しするかのように、自然で嫌味がない変化の方向性が評価出来ます。

色々試してみますと、供給するデジタルケーブル(BNC)でもコロコロ変化するので、ケーブルの選定も追い込みには欠かせないでしょう。

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K-03 当フロアにはESOTERIC「K-03」(写真右→)がありますので、これでじっくり検証して参ります。

まず、「CC1」には大きく“MASTER MODE(マスターモード)”と“SLAVE MODE(スレーブモード)”という2種類の機能があります。
まずは“MASTER MODE”(通常のクロックとしてお使い頂く場合)からご説明致します。


「K-03」に関しては、ワード入力に対応させるには、フロントパネル左側の「MODE」ボタンを長押しして頂き、左の写真の様な画面で“WORD ON”の設定にして頂きます。 ロックすると「WORD」ボタンが青く点灯します。何かの不具合でロックしない場合は点滅して、窓の部分に“NO WORD”等の表示が出ます。

「CC1」リアパネル接続
↑接続は非常にシンプル。
10個以上のClock outがございますが、基本的にCDプレーヤーなら1出力で賄えますし、トランスポート、D/Aコンバータを共に同期する場合でも使用するのは2出力のみです。 何か勿体無い気もしますが、それはクロックという機器が、業務(スタジオ)等のプロユースを目的としている事も多い為、多くの機器との接続を前提としているからです。
また、CC1の周波数は基本の44.1kHz。これは48kHz(ESOTERICの場合は不可)や最大の4倍にして176.4や192でも良いですが、44.1でいつも聴いています。
このK-03はESOTERICのVRDSに加えて“32Bit/DAC”の良さが光り、これまでの硬質なイメージとは異った、進化したESOTERICサウンドを楽しめるのですが、CC1で同期させるとより一層聴き易くなります。 また、確実に奥域や緻密さが沸き、空間表現も増します。

ワードシンク対応機器というと、ややその種類も限られて来てしまうのですが、ESOTERIC、MARANTZの製品はこちらで試してみた所、非常に効果的でした。
ESOTERICでは「K-03」の他に「P-03/05」、「D-03/05」とも組み合わせましたが素晴らしい表現力を発揮しました。 ESOTERICの代名詞でもあるVRDSメカ由縁の力感があり、しっかりとしていますし、その解像度の高さには 曲が強調される感じもあり、時にリラックスさを求めたくなる事もあるほどですが、「CC1」を入れる事でそれが何とも聴きやすく、スピード感が増すように感じます。 ESOTERIC特有の輪郭の深さに加えて、音色に柔らかさが出て来ます。
MARANTZ「SA-7s1(生産終了品)」では、元々得意な空間に伴なう表現力に加えて、精度の高さが加わった事での空間表現、情報量が上がります。

単にケーブルやアクセサリーを変えた場合とは明らかに異なる変化ですので、もしお持ちの機器にワード入力が搭載されているのであれば、 クロック追加の効果は是非とも体験して頂きたいです。

またCC1の特徴は純粋なクロック・ジェネレーターとしての基準軸としての精度に加えて、ジッターの大幅な低減効果も特筆しています。
CC1がこれだけのパフォーマンスを誇るのは精度以上にジッター低減効果の効果とも言えます。それはクロックには更に精度の高いルビジウム発信機などありますい、精度の究極を極めています。
CC1がそれと同等かそれ以上に感じる事があるのもやはりジッターの低減効果とも言えます。
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「CC1」サイド
また、余談ですが最近になり、デザイン点でも変更がありました。
クロックジェネレーターという性質上、業務機(スタジオ関連)で使用される事が多い為、これまではラックマウント用に金属のひさしがついていました。 フロア展示や設置の際などに気を使う事もありましたし、デザイン的にも無機質に見えてしまいましたが、今回の変更でそのひさしが無くなり、シンプルな形になりました。
より親しみが沸きそうです。

“SLAVE MODE”に関しましては、続編として次回「VOL.4」にてご紹介させて頂きます。