VOL.107 OCTAVE V110SE & V80SE 試聴レポート

 
本日は新製品のOCTAVE社プリメインアンプV110SE 及び V80SEの試聴レポートをお 届けいたします。 V110SE ¥1,100,000(税別) フォノモデル ¥1,170,000(税別) http://www.fuhlen.jp/octave/products/v110se.html V80SE  ¥1,540,000(税別) フォノモデル ¥1,630,000(税別) http://www.fuhlen.jp/octave/products/v80se.html V110SEは2016年年末に発売されたV110の後継モデルになります。これでプリメイン アンプはV40SE、V70SEを含めて4モデルがSEになりました。 V110からV110SEに変化するにあたり、OCTAVE社独自のテクノロジー「Octave Dynami c Technologies 」を採用しております。 個人的にはV110よりもV70SEが好みだった部分も大きいのですが、今回のV110SEはV7 0SEの上位モデルという位置づけにしっかり変化したと思います。 さてOCTAVEのプリメインの製品歴史を少しご説明させていただきます。 基本的な流れで V40、V50、V70がございました。その後にV80が発売されました。 そのV80の技術を取り入れたモデルがV40SE、V70SEになります。 それからパワーアンプ、MRE220、RE280の技術を取り入れたモデルがV110になりま す。 ここ最近になり、JUBILEE MONO SEで採用された「Octave Dynamic Technologies 」 を取り入れたモデルがV80SE。そして昨年同じテクノロジーを採用したパワーアンプ のRE320、プリメインアンプのV110SEが発売されたという経緯になります。 OCTAVEとしては価格面で語りきれず、どちらかというと時代時代によるところが大 きいかもしれません。 またV110とV80に関しては方向性の違いを感じましたが、今回V110SEとV80SEに関し ては、やはり方向性が若干違う印象をもっておりますが、それ以外の付加価値も感 じ取ることが出来ました。 こちらは後ほど試聴レポートでお届けいたします。 さてV110SEですが、ダンピングファクターは3つのレベル(LOW、MED、HIGH)で変更 できます。この変更の方法が真空管の交換となります。   デフォルトではMEDのECC81が装備されております。付属としてLOWのECC82、HIGHの ECC83がついております。 本体から見て右側の入力管の交換になりますが、熱くなりますので、気をつけて交 換をしていただければと思います。 さてV110SEとV80SEの違いとなりますと出力管の違いが大きいところとなります。 V110SEはKT120×4、V80SEはKT150×4。 またドライバー管はV110SEはECC81×2、V80SEはECC82×2 入力管はV110SEはECC81(標準)、ECC82、ECC83の切り替え、V80SEはECC81。 出力に関しては、V110SEはHIGHで使用した場合は(背面スィッチで切り替え)は型 番通りの110W(8Ω)、V80SEは120W(8Ω)。 その他V80SEの機能としては、ヘッドフォン端子が背面に装備されております。また LINE、TAPE切り替えも装備されております。 両モデルとも背面にLOWとHIGHの赤い切り替えスイッチがありますが。通常付属され ている出力管でしたらHIGHを使用し、別途6550、KT88をご使用の場合はLOWでご使用 ください。 詳しい資料は代理店のホームページをご覧ください。 V70SE http://www.fuhlen.jp/octave/products/v110se.html V80SE http://www.fuhlen.jp/octave/products/v80se.html さてこのV110SEとV80SEを異なるスピーカーで試聴を行いました。   TAD TAD-ME1+TAD-ST3 ¥1,160,000(税別) http://tad-labs.com/jp/consumer/me1/ まずはV110SEで試聴を行いました。 ダンピングファクターは3つのレベル(LOW、MED、HIGH)ございますが、MEDで試聴 を行いましたが、音のエネルギー感、スムースな位相特性などあまり良い印象を持 ちませんでした。それでV80SEで試聴をしたところ、奥行感もしっかり出て、安定感 のある低域再生で個人的には女性VOCALなどの色艶ある音楽すべてV80SEが良いとい う判断をしました。そこでV110SEの入力管をLOWに変更いたしました。 そうしましたら低域の再生能力もあがり、位相特性も良くなり、艶のあるOCTAVE サウンドが出てきました。おそらくTADのスピーカーはインピーダンス変動が起きて いるのではないかという代理店の見解のようです。 とは言え、TADの特徴を生かすのであれば個人的にはV80SEの方が個人的には芯があ って良いイメージを持ちました。またここで興味本位で入力管をHIGHに変更しまし た。結果ハイ上がりになり、低域も芯をなくしました。ここまで変わるものかと驚 きました。 TADの場合はモニタースピーカー的な位置づけですので、やはりしっかりドライブす ることが必要になる分そういうイメージになったのだと思います。  FRANCO SELBRIN ACCORDO ¥1,230,000(税別) http://www.arkgioia.com/accordo/index.html 次にFLANCO SERBLIN のACORDOにスピーカーを変更しました。まずはV110SEの入力管 を3種類試しましたが、標準のMEDがスピーカーとのバランスが良い印象をもちまし た。逆にLOWも良い部分がありましたが、特性的にちょっと違和感を覚える曲もあり ました。さてここでV110SEとV80SEとの比較試聴を行いました。 これは正直差をつけるなら60:40でV80SEではないかという判断いたしました。 音の広がりや個人的な意見で私が好きなOCTAVEサウンドはV110SEの方が音楽的な表 現能力からすると好み的な部分があります。ただ音の立体感、音の芯、奥行感など はV80SEの方が上ではないかと思います。 こちらも個人的な意見ですが、女性VOCALやバイオリンなどの楽器でも小編成でした らV110SEの方がうっとり聞けます。響きがとても麗しく感じます。ただオーケスト ラやジャズでも編成の大きいものになるとスケール感がV80SEの方が上になりますの で、余裕をもって安心して試聴することが出来ます。 この辺りは価格差ととらえてもらってもよろしいかと思います。 以前はコストパフォーマンスの面からV110よりもV70SEとBLACK BOXでのセットをお 勧めしたいたところもありましたが、今回はV70SEよりもV110SEの方が当然価格面か ら言っても上のモデルという評価に変わりました。また以前のV80に関しては、プリ メインアンプでありながら印象的にはヴォリューム、セレクター付きのパワーアン プ的な印象でOCTAVE色が少なく感じておりましたが、今回のV80SEではそのイメージ が払拭されました。 OCTAVEのサウンドは一般的に言われる暖かみのあるサウンドではなく、透明感を感 じる色艶のあるサウンドです。 個人的にはSonus faber、FLANCO SELBRIN、AVALON、TANNOYなどの箱を鳴らすタイプ のスピーカーがあっているような気もしますが、タイプが違うV80SE、パワーアンプ でしたらRE320などでしたらB&Wでもしっかり鳴らしてくれます。 BLACK BOXなどを使えばまたグレードアップも出来ますので、ユーザーフレンドリー なメーカーではないかと思います。 展示が無い場合でもリクエストいただければご用意できますので、お気軽にお声掛 けください。                          2017年1月26日 H.A.L.3 島