VOL.88 ESOTERIC K-01X試聴 レポート
ESOTERIC K-01X \1,450,000(税別)
今回は新しくなったESOTERICの一体型プレーヤーのフラッグシップモデルK-01Xをご
紹介させていただきます。
先日先だってESOTERIC本社にて試聴はしておりますが、改めて詳細をお送りいたし
ます。
ESOTERIC試聴室で試聴レポートはこちらをご覧ください。
それでは、まずは内部の仕様をご説明させていただきます。
■入力
K-01Xはプレーヤー機能だけではなく、D/Aコンバーターとしての使用もできます。
入力はCOAX(同軸)、OPT(TOS)、USBの3系統
COAX、TOSは192kHz/24bit。USBに関しましてはDSD2.8/5.6MHz、PCM384kHz/32bitまでの
アシンクロナス伝送
トレイ左横のボタンで入力切替となります。
■設定
トレイ左横のボタンを長押し(2秒以上)することで各種設定が出来ます。
1)アップコンバート機能 2)PCMフィルター
各入力ごとに設定可能 各入力ごとに設定可能
3)DSDフィルター(K-01はONがデフォルトでした) 4)クロックの切り替え
IN:10MHzまでのクロックに本機の
マスタークロックと同期
MCK:クロック入力された22M、24Mをマス
ターとして動作
5)アナログ出力設定 6)デジタル出力設定
XLR2、XLR3は極性の違いとなります。 新しくXLR出力が追加となりました。
7)ディスプレイのオン、オフの設定 8)オート設定パワー設定(電源自動OFF)
30分間操作が無いと、FL表示が自動OFFになります。 出荷時は「30m」に設定されております。
■トレイのシャッター部をラウンドのついた新デザイン
■新リモコン (写真クリックで拡大)
DIMMER(ディスプレイの明るさ設定)はリモコンで行います。
■K-01からの進化
●オーディオ回路の一新(電源回路は同じ)
●旭化成の最新DAC ICのAK4495Sを採用し、K-01Xは35bit、K-03Xは34bit対応
(35bitは24bitの2048倍)
●メカ部分のスピンドルのベアリングをセラミックから選別品のスチールを採用
●クロック入力が22Mまで対応
●日本電波工業と共同開発のVCXO 高精度クロックを採用
●USB入力がDSD2.8/5.6MHz、PCM384kHz/32bitまで対応
●デジタル入力もアップサンプリング可能
(PCMフィルター)
●K-01ではアッテネーター機能がありましたが、K-01Xはその機能がございません。
(DSDフィルターの関係)
●K-01ではXLR出力レベルの変更ができましたが、K-01Xではその機能はございません。
(RCA出力とXLRでは6dBの差)
●電源ボタンの変更
■K-01X仕様(ESOTERICホームページより)
●再生可能ディスク:スーパーオーディオCD、CD(CD-R/CD-RW対応)
●アナログ音声出力:XLR端子(2チャンネル)×1RCA端子(2チャンネル)×1
出力インピーダンス:XLR 40Ω/RCA 10Ω
●デジタル音声出力 :XLR 端子×1 3 Vp-p(110Ω負荷時)
:RCA 端子×1 0.5 Vp-p(75Ω負荷時)
●デジタル音声入力 :RCA端子×1(入力インピーダンス75Ω) 0.5 Vp-p
:光デジタル端子×1 -24.0 〜 -14.5dBm peak
:USB-B端子 USB2.0準拠
●クロックシンク入力フォーマット:入力端子 BNC
入力可能周波数(±15ppm) 44.1kHz、48kHz、
88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz、10MHz、
22.5792MHz、24.576MHz
:入力インピーダンス 75Ω
:入力レベル 矩形波:TTLレベル相当
サイン波:0.5〜1.0Vrms(50〜75Ω)
●一般 :電源 100V AC 50/60Hz
:消費電力 27W
:外形寸法(W×H×D)445mm×162mm×438mm(W×H×D、突起部を含む)
:質量 約31kg
ESOTERICホームページはこちらをご覧ください。
■試聴レポート
使用システム
●プリアンプ ESOTERIC C-02
パワーアンプ ESOTERIC A-02
スピーカー B&W 802Diamond
プリアンプのC-02にはバランス出力で入力しており、設定は全てデフォルト状態に
しております。
K-01との比較になってしまいますが、まずは圧倒的なエネルギーの変化を感じます。
またステージが広くなっておりますが、それでいて各楽器が曖昧になっていないとこ
ろは好印象です。全体的な印象としては全てをオープンにして出せる情報を余すこと
なく出してきております。同社フラッグシップモデルGrandiosoで培った技術を採用
しているというのもうなづけますね。
ただVOCALの立ち位置としては、中域のエネルギーが強く感じるせいか若干前に出て
きた印象を持ちました。アコスティックギターは1,2弦の響きよりも下の弦の響きが
目立ちます。しかし全体的に楽曲が深くなり、安定した音楽性を感じることもできま
す。
ただK-01に比べるとオーディオ的に良くなったせいもあり、少し重たく感じる部分
を感じました。もちろんまだエージングといった面もあるかと思います。
そう思った時にピンときたのが、アンバランス接続です。
同一メーカーのケーブルのRCAに変更して聞いたところ、重心は上がり、横方向
の響きは減りましたが、透明感と上方向の伸び、奥行き感は逆に増したように感じ
ます。
RCAに変更して試聴を繰り返しましたが、K-01よりも見通し、広がり、情報量、低域
ともかなりグレードがあがり、質の高い変化を見せてくれました。
実に奥が深いですが、数年間のESOTERICの努力の結晶を肌で感じることができまし
た。実に素晴らしい進化だと思います。
今の時点ではジャズやオーケストラはバランス接続で、小編成のクラシックや女性
VOCAL、フュージョンといった面ではアンバランス接続が良いかなといった印象です。
こちらは機器との相性もありますので、是非お客様にも試していただきたい項目で
すね。
さてまだまだ魅力は満載です。
アップコンバート機能ですが、基本的にデフォルトで使用することをお勧めしてお
りました。もちろんソフトによってはこのアップコンバート機能を使うことで音が
なめらかになり、聴きやすくなったり、自然に感じるます。
ただ位相特性の問題と背中合わせということもありました。
ただ、このK-01Xのアップコンバート機能は以前よりもクオリティが上がっており、
違和感なく使うことが出来るようになっております。
是非お好みでお使いいただければと思います。
今回は試していないですが、外部からのデジタル入力もアップコンバートできます
ので、DACとしての価値も非常に高くなっております。
もはやCD/SACD PLAYER &D/D、D/A コンバーターと言ったほうが好ましいですね。
最後にSACDの再生ですが、これはバランス接続、アンバランス接続ともK-01を凌駕
しました。K-01Xで聞くSACDは圧巻です。
このことから考えるとDSDフィルター OFFモードというのは非常に効果的だったい
うことになります。このDSDフィルターをOFFにするデメリットというのもあります。
K-01はパワーアンプに直接つなげられるようにヴォリューム機能(アッテネーター
機能)がありましたが、K-01Xはそれがなくなっております。DSDフィルターOFFに
するとSACD再生時にボリュームコントロールが出来ないとのことです。
こういうこともありK-01Xはそのモードがなくなっております。
優先させたいものがあるというのもこだわりの一つで素晴らしいと思います。
X-01、X-01Limited、X-01D2、K-01 そしてK-01Xと変わってきましたが、私にとっ
ては好きな方向に進化してくれております。
前の方が良かったということもあったりするのがオーディオの面白いところですが、
今回もしっかり期待に応えてくれました。
是非店頭で使い勝手も含めてご試聴いただければと思います。
さてK-01X、K-03X 発売記念ということでキャンペーンが行われております。
詳細はこちら
是非この機会に!!
2014年7月15日 H.A.L.3 島
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