第4回目:ラックスマン(株)御三方 を迎えて
                                           (H.A.L.3 島)

本日はラックスマン株式会社より
弊社営業担当相田 和喜氏、前弊社営業担当、現在は営業を離れ経営企画室執行役員
となった末吉 達哉氏、そして開発部本部長の長妻 雅一氏をお迎えしました。

末吉氏には私が入社した時からお世話になっており、今回特別に来ていただきまし
た。
それでは、対談をスタートさせていただきます。

「島」去年で60周年でしたっけ?

「相田」「末吉」何いっているんですが、90周年ですよ。

「島」  そうでした。去年イベントでラジオ制作からスタートした話を伺いました 
        ね。

     長妻さんには4Fのイベントで基板の話をしてもらったのが懐かしいですが、
     あの時が初めましてでしたよね。

「長妻」その前にも名刺交換はさせていただいておりましたが、イベントに来たの
    はその時が初めてでしたね。

「末吉」島さんが他のメーカーさんは技術の方と仲が良いという話をして、
    そういえばラックスマンさんは技術の方がお表にでていないという話を
    されたんであの時は長妻に来てもらったんですよ。
    
    うちの場合は、技術の話が出来る広報の小島がそういう役割なので、直接
    技術が出て話をすることは少ないですね。
    

「島」 そんなこと話をしましたね。でもあの時はピールコート基板の話が凄く
	印象的でした。
    やはり作った方の話を聞けるのは勉強になります。

「長妻」ありがとうございます。

「島」 ところで最近H.A.L.3では国産にも力を入れており、ラックスマンのイベン
    トも何度も行っていますね。

「相田」新しい順番からすると去年(2015年)の90周年グレードアップ試聴会
    こちらは天野さんに企画してやってもらいましたね。

    その前がダイナさんのスプリングフェスティバル2015

    その前もスプリングフェスティバル2014でこの時に長妻さんに来て
    もらったんじゃないかと思います。

「末吉」その時はまだ私が担当で、その記憶があります。

「末吉」その後にD-08uが出るか出ないかというタイミングで、D-08uが正式発売
    になった後に試聴会をやったんですよね。

「島」 そうそう。末吉さんともめながら企画したイベントですね。

「末吉」もめてないですよ(笑)

「島」 その時のイベントはホームページに載っていますね。
    http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/4f/event20140531.html


    その前はイベントはほとんど記憶がないですね。

    実際H.A.L.3はインポート製品が多く、C-900u、M-900uの発売で常設展示を
    開始した時から国産アンプにも力を入れ始めたと思います。

「末吉」そうでしたね。

「島」 とりあえず時系列で製品を思い出してみましょうか。

「相田」ホームページのプレスのページに記載がありますよ。
    http://www.luxman.co.jp/presspro/

「島」 アイテムごとではなくで、ランダムに発売時期順番ですね。

「相田」4Fでご縁があったものとしては2013年12月年のC-900u、M-900u、
    それから翌年のCD/SACD PLAYERのD-08u

「島」 その前のセパレートのC-800f、M-800Aはいつぐらいでしたっけ     
    
「相田」同時発売ではなく、M-800Aが先で、2006年10月、C-800fが2007年9月
    D-08が2008年10月ですね。

「島」 末吉さん。私が4Fオープンしてどれぐらい経つか覚えていますか?

「末吉」10年以上は経ちますよね・・・

「島」 私が4FをH.A.L.3として立ち上げたのが2004年9月ですよ。

「末吉」そんな経ちますか。

「島」 その時のこと覚えていますか?当時SACDマルチ、DVD-AUDIOが話題になって
    おり、弊社のCU-80、MU-80を使って、DALIのスピーカーでマルチやってた
ん
    ですよね。

「末吉」懐かしいですね。

    私がよく覚えているのは三重県の納品と2006年末にC-1000fのご注文をい 
    ただいたことですね。 
    
「島」 私も良く覚えていますよ。
    C-1000fの時は年内手に入るならという風にお客様におっしゃられて、12月
	30日にお届けにいきましたね。

    三重県のお客様は当時東京にお住まいで、定年後松坂に戻られるというタ
    イミングで2台購入いただき、あの時は宅急便で送らせてもらって、新幹線
    で一緒にお伺いしましたね。

「末吉」名古屋で一泊しましたけど、いろいろありましたね。

「島」 ・・・・

「島」 4Fでヒットした商品もありましたね。
    当時宮川と一緒にやっていた時代に良く売れたモデルです。

「末吉」NEO CLASSICOですね。

「島」 当時TANNOYのAUTOGRAPH MINIと一緒に鳴らしておりましたが、あれは
    個人的に好きでしたね。

    グッドデザイン賞もとってましたね。

「末吉」やってもらってましたね。

「島」 今までは4F時代の話ですが、私も入社して20年ぐらいですので、もう少し
    古い話までさかのぼりましょうか。

    個人的に印象が深いのがKEFとDU-10

    KEFのMaidstoneは当時サウンドハウスか新宿店に在籍していたころ展示
    していましたね。あの時の上司は新宿の岩瀬でした。

「末吉」そういえば島さんもKEF使っていましたよね。

「島」 そう。あれはサウンドハウスで働いている時に、サイドのワインレッドキ
    ャビネットにほれ込んで生産終了ぎりぎりで購入しましたね。
    RDM-2でしたよね。今でもテレビ用で使っています。

    それとDU-10は新宿店でAV関連のフロアを担当していた時代ですね。
    SACDアナログ出力とPCMアナログ出力の2系統あり、すごいプレーヤーが出
    たなと思っておりました。

「長妻」そうでしたね。当時ユニバーサルプレーヤーのはしりみたいなものでした。
	後はパイオニアさん、ESOTERICさんでしたかね。
    それからは暫くはユニバーサルプレーヤー時代で、それからSACDプレー 
    ヤーにシフトしていった感じです。
    DU-10は2001年ですので、もう15年前ですね。

「島」 SACDはもう15年も経つんですね。
    当時SACD陣営とDVD-AUDIO陣営とありましたね。
    確かにパイオニアさんとラックスマンは両方かかるということで、販売を
    していた記憶があります。
    ラックスマンのプレーヤーはHDCDというのを前面に打ち出していたことが
    あったような気がします。

「長妻」そうですね。HDCDはラックスマンとしても力を入れておりました。
    懐かしい話です。

「島」 今でも当時のHDCDの開発陣はバークレーオーディオデザインとして
    DACを作ってますね。

「長妻」そのようですね。当時のパシフィックマイクロ社は今マイクロソフトに買
    収されていますね。

「島」 さすがにお詳しいですね。

「長妻」ありがとうございます。(笑)

「島」 ラックスマンさんのイメージはクラシックの方が強いイメージがあるので
    すが、そういうイメージで作られているのですか?

「長妻」・・・紙を取り出して・・・

    ラックスマンが目指している良い音質とは
 
    素直で自然な音質。誇張しない
    自然な音場感
    情報量の多い音
    全体域の一体感
    長時間聴いていられる

「島」 ふーん。
    どこのメーカーも同じことを言っていますね。それでこれだけ音が違うの
    が面白いところですね。
    自然な音場感というのはラックスマンらしいですが、スタジオ録音という
    よりもどちらかクラシックを含めたライブ録音を意識している感がありま
    す。
    長時間聴いていられるというのはこれはラックスマンをお選びになるお客
    様が良くおっしゃっていただけることです。
    
    あるメーカーさんは逆にスタジオ録音が得意でそれを前面に出してプロ 
    モーションしている気がします。

    どちらかというとクラシックを好きなお客様が多いと思いますが、そうい
    う音作りですかね。

「長妻」クラシックを意識というよりも自然な音場感を意識した結果かもしれませ
    ん。

「島」 実は20年前個人的にはプリメインアンプはロックにあうイメージを持って
    おり、セパレートアンプになるとクラシックのイメージがありました。

「長妻」若干は音作りとして変えておりましたが、プリメインアンプもクラシック
    を聞かれるお客様は多かったです。
    ただ島さんのように言われる方も結構いらっしゃいました。
    音のエネルギー感がそう感じさせていたのかもしれませんね。

「島」 当時JBLとラックスマンでロックというお客様も少なくなかったですね。
    その時代はSANSUIも元気がなくなっていた時代で、当時L-507fで聞くロッ
        クは好きでしたね。

    ところでC-900u、M-900uが発売された時に前の方が良いというお客様もい
        らっしゃいましたが、音作りは変えたのですか?

「長妻」基本的な路線は変えているつもりはないですが、やはり情報量というとこ
    ろは意識します。
    聞こえなかった音が聞こえるようになり、音場感も良くなったという評価
    もいただいております。

「島」 私もそう評価しておりますが、その情報量がきつく感じて、前の方が
    やわらかいというイメージを持たれるのかもしれないですね。
    私は今のサウンドの方が現代スピーカーには良いと思います。
    昔のスピーカーなら確かに変わるのかもしれないですね。

    ところでどういうタイミングで新製品を出されているのですか?

「長妻」一概には言えませんが、古くなって来たり、こういったものを出したいな
    ど社内で話し合いを行います。
   
    ただ製品を作りながらもパーツの開発もしております。

「島」 パーツの開発?

「長妻」コンデンサーや抵抗を開発しております。基板のパターン設計も当然社内
です。

「島」 そうなんですか?
    あるメーカーにこういうものを作って欲しいと相談したり、
    あるパーツを購入して聞いてみるとかではないんですか?

「長妻」基本的にはメーカーさんと共同で作ってみて、これだというものが出来た 
        らそれを採用します。部品メーカーさんのアリモノをそのまま使用するこ 
        とはありません。
    何回も試作を重ね、納得できるまで繰り返して作ります。
    そのパーツを新製品に採用させております。ひとつの部品が完成するまで1
        年以上かかることもよくあります。
    島さんの目に留まったピールコート基板もそうですね。

「島」 そうなんですね。
    
    頭が下がります。

    ラックスマンさんは製品を出したらスパンが長いですが、その間に
    パーツ開発、そして順番に製品を出してきますが、ヴァージョンアップは
    しないですね。

「末吉」新製品と旧製品ですと交換するところが多すぎて、ヴァージョンアップと
    いうレベルではないんですよね。

「島」 5,6年だとそうですがお客様からはヴァージョンアップの問い合わせも多
    いですね。

「長妻」社内でも色々な話があるのですが・・・
    これは課題ということで・・・

「島」 ありがとうございます。

    話が前後してしまいますが、ラックスマンのユーザーさんはクラシックを
    聞かれるお客様が比率的には多いかなと思います。
    私のお客様はポップスも多いですが、プリメインアンプからセパレート
    アンプにされているお客様も多いですね。
    そこには音以外の安心感もありますね。
    90周年ですものね(笑)
    延長保証も素晴らしい考え方ですね。

「相田」ありがたいお話です。

    保証期間の延長も社内でしっかり協議したものです。

「島」 話を戻して全体的な比率としてはクラシックを聞かれるお客様の方が
    多いと思いますので、もう少しそういう観点でアピールしてみたらどうな
    んでしょうかね。

「末吉」確かにクラシックを聞かれるお客様。TANNOYと組み合わせているお客様は
    多いですね。

「島」 音楽好き = オーディオ好き であればもっとこの業界も盛り上がってい
    くと思いいますが、あまり業界的に生とオーディオをくっつけていない気
    がします。
    ラックスマンならクラッシックとオーディオの融合が出来るような気もし
    ます。

    もう少しクラッシックをラックスマンで聞きましょう!!的な?

「末吉」これも良く話題に上ることですね。
    この先もっと考えていきたいと思っているところです。

「島」 是非やってもらいたいですね。

    例えば演奏家に生で引いてもらって、それをラックスマンのアンプで聴か
    せるみたいな感じで。

「相田」「末吉」頑張ります!!

「末吉」しかし良くしゃべりましたね(笑)
    30分ぐらいで終わるかと思いましたが、2時間ですよ。
    のど乾きました!

「島」 ESOTERICさんの時はもっとしゃべりましたよ。

「相田」「長妻」 ・・・失笑

「島」 今日は長妻さんの話もゆっくり聞けましたし、楽しかったです。
    
「相田」私も勉強になりました。こういうのも楽しいですね。

「島」 まだまだ話は尽きないですが、その続きはまた後で?

    今日は本当にありがとうございました。



2016年2月9日 H.A.L.3 島