ブリッジ接続により通常1台の4倍のパワー(300W.8Ω)をつくり出してしまうという、好きな人にはたまらないセッティングとなるわけですが、FORTEのそれはぐうの音も出ない程大変身してしまうから大変です。しかも上位機種のSYMPHONYの5分の1くらいのサイズをしてここまでやってしまうのだから厄介と言ってもいいくらい、これは爽快なのです。接続を終えた地点で「鳴りそう」な雰囲気を出してくるアンプには気をつけるべきですが、そう言う時は音楽もさっくり選べるものでBASIEのCOUNT ON THE COAST'58から「SLATS」、ニューマン作曲のそれはそれは「色気のある」洒落た曲で途中シラッと出てくる彼のトランペットには誰もが嫉妬していいはず。とにかくこの時の16人全員が飛んできたり誘ってきたりするじっとしてられない空気を、これまた上手く出してくれるアンプにはそうそうありつけないはずです。次に針を落としたサンサーンスのヴァイオリン協奏曲、ジノ・フランチェスカッティの弦がしなやかに走る気持ち良さ、JBL4338のパワーと繊細さを余すところ無く味わえる久しぶりの気持ち良さを見つけてしまったからには選ぶ音楽が後を絶ちません。ブリッジ接続がパワー増強というところに直結すると思うと痛い目にあいます、勿論数値的にも4倍となるわけですから間違いではありませんが、軽く音量を絞った時の世界がまた格別なのです。静かに、それでも全ての帯域を軽々と見せてくれる優雅さとVIOLA特有の繊細さ。こういった表現力はブリッジならではの醍醐味でしょう。