一曲目にマイルスのSTEAMIN'から「SOLT PEANUTS」をかけた時でしょうか、PHILLY JOE JONESのドラムが「ジャリっと」鳴るではないですか、シャリッとする事はあっても中々ジャリッと鳴る事は無いので、出来の良いアンプの割には面白いなあ、と思ったのです。真空管アンプといえども真空管らしくない、正に絶好のポジションをつくったアンプですがこの時はどう考えても真空管そのもので、しっかり濁ってくれる感じのいい音を聴かせてくれたのです。今思えばOCTAVEはプリにそのらしくない性格が良く出ていて、パワーアンプはらしい、と言った方が良いのではないかと。今回はこのパワーアンプ専用の強化電源(Super Black Box)を用意してもらい、使用前使用後を試してみましたが、らしいのは使用前、らしくないのは使用後、とわかり易く結果が出ました。Super Black Boxをつけると一気に見通しが良くなり一聴すると真空管で鳴らしているとは思えない程です、レンジ感もグッと増し、明快で力感のある表現。真空管らしさを求める方には本体のみ、そうでない方にはSuper Black Box付という選択肢で問題ないと思います、しかし同じアンプかと思える程の変化ですからこのSuper Black Boxはお勧めです、アンプを買い替える事無く違った音を手に入れられるわけですからね。セッティングをしてもう数日経ち、温まったMRE130は当初よりも一段と雰囲気良くしっかりと、それでいてちょっと隙のあるここにはもってこいの音を聴かせてくれています。
OCTAVE
MRE130 \1,974,000(ペア、税込)
Super Black Box \472,500(オプション)
2008年5月24日現在
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