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OCTAVE MRE130



このアンプ、実にJBL4338と相性が良い。

JBLにはあまり出来の良いアンプは向かないというのが持論です。くれぐれも誤解をされないように、あくまで私の主観であって出来の良いアンプで見事に気持ち良く鳴らされている方は大勢います。それでもここは専門店ですから、かなりの精鋭、いわゆる出来の良いアンプが遊びに来る事が多くその度に「こんなに立派に鳴るのか、4338は」と襟を正す気持ちになる事はまんざらでもありません。他にもこのスピーカーを鳴らしているお店は多々あると思いますので、個人的にはそういったしっかりしたセッティングでしっかりと聴かせてくれる事はそちらに任せて、ここではちょいとだらしなく、いや言い方が悪いので言い直します、少し肩の荷を降ろして楽しく愉快に聴けるように日々それでも真面目に向き合ってはいるつもりです。脇道に逸れてみないと見えない風景もありますし、以外とそっちの方が探検のしがいがあるものです。昨今、ビシッと隙のない音を聴かせるスピーカーは多々あれど、たまに心配になるそれは少ないような気がしています。心配とは変な音や悪い音を出すという事ではなく、ハッとしたりドキッとしたり、の心配であってしかも時々そういう事になるのがまた隙があるのかないのか、要は「悔しいけどいちいち気になる」スピーカーなのです。そしてこのOCTAVE MRE130はどちらかというと出来の良い方で、ここの4338にはちょっと勿体ないくらいの製品ですがそれがどういうわけかそうでもないのが気になったいきさつとでも言いましょうか。

一曲目にマイルスのSTEAMIN'から「SOLT PEANUTS」をかけた時でしょうか、PHILLY JOE JONESのドラムが「ジャリっと」鳴るではないですか、シャリッとする事はあっても中々ジャリッと鳴る事は無いので、出来の良いアンプの割には面白いなあ、と思ったのです。真空管アンプといえども真空管らしくない、正に絶好のポジションをつくったアンプですがこの時はどう考えても真空管そのもので、しっかり濁ってくれる感じのいい音を聴かせてくれたのです。今思えばOCTAVEはプリにそのらしくない性格が良く出ていて、パワーアンプはらしい、と言った方が良いのではないかと。今回はこのパワーアンプ専用の強化電源(Super Black Box)を用意してもらい、使用前使用後を試してみましたが、らしいのは使用前、らしくないのは使用後、とわかり易く結果が出ました。Super Black Boxをつけると一気に見通しが良くなり一聴すると真空管で鳴らしているとは思えない程です、レンジ感もグッと増し、明快で力感のある表現。真空管らしさを求める方には本体のみ、そうでない方にはSuper Black Box付という選択肢で問題ないと思います、しかし同じアンプかと思える程の変化ですからこのSuper Black Boxはお勧めです、アンプを買い替える事無く違った音を手に入れられるわけですからね。セッティングをしてもう数日経ち、温まったMRE130は当初よりも一段と雰囲気良くしっかりと、それでいてちょっと隙のあるここにはもってこいの音を聴かせてくれています。

OCTAVE MRE130 \1,974,000(ペア、税込)
Super Black Box \472,500(オプション)
2008年5月24日現在
上記内容へのお問い合わせは柴田までお願い致します。




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