GUEST & TALK |
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System with Guest Vol.4<松本様> どんなに優れたオーディオシステムも、使う人がいなければ仏つくって魂入れず、画竜点睛を欠く、誰かに選ばれ、大切に育てられてはじめて完成するものです。そんなわけで、ダイナミックオーディオの佐藤(企画)と柴田(3Fマネージャー)が、実際のユーザーのお宅を訪問して、オーディオや音楽の話を聴いてみようというコーナーです。 佐藤:「柴田くん〜。ぼくはさぁ〜。お腹を減らした人のために作られる素朴な料理のような音楽が聴きたいんだよ〜」 柴田:「聴いたらいいんじゃないの?」 佐藤:「おっ!さてはちゃんと聞いてませんね?ぼくの話を」 柴田:「大丈夫、これから行くところで聴けるから」 お客様訪問記、第4回目は松本様宅へお邪魔させて頂きました。スピーカーやアンプ、プレーヤーへの興味、探究心が人一倍高い松本様のルーツが学生時代に足繁く通ったジャズ喫茶や時代に彩られた様々な音楽にあったことを、今回お話を伺ったことでより強く感じることができました。何より音楽が主役である事を念頭に今まで使用された機器も数多くありますが、今回 B&W 800D3 を導入された事を機会に改めてのご訪問とお話の時間を頂くことができました。 松本さん:「ぼくには六つ違いの兄がいて、ぼくが小学校三年生の時もう兄貴は中学校三年生ぐらいだったから、家でよくラジオがかかってたんですよ。まだ子供だったから、聴こえてくる音楽には細かい区別がなくって”日本の音楽”と”洋楽”っていう大きく分けてふたつという感じに聴こえていて、ポップスもロックもカンツォーネもシャンソンも」 柴田:「全部まとめて外国の音楽」 佐藤:「いいですねぇ。当時の少年はラジオを通じて世界と繋がっていったわけですね」 松本さん:「で、中学生位になってさすがに色々区別がつくようになってくるわけだけど、そのなかでハマったのがソウルミュージックで The Temptations とか The Supremes とか、ぼくは Fifth Dimension とかそういうコーラスグループが割に当時好きだったんですよ」 柴田:「へぇ!そうだったんですか!」 松本さん:「柴田さんは Otis Redding お好きなんですよね?」 柴田:「ええ、ぼくの時代は一旦もうジャンル自体が完全に下火になった後だったので、幹から辿っていった感じです。自分の好きな音楽の全盛期を見てきた感じは羨ましいですね」 松本さん:「うん。そうそう全盛期といえば、丁度中学生位の頃は、あいつは サイモン&ガーファンクル が好きな奴、あいつは ストーンズ が好きな奴、あいつは ビートルズ が好き、とかそういう感じでしたよ」 柴田:「うっわ、それは羨ましい時代ですね。70年代の音楽憧れるんだよなぁ〜。なんで俺はその時代に産まれなかったんだって思っちゃうくらい」 佐藤:「音楽に対するハングリーさが違う気がしますよね」 松本さん:「他に楽しみがあんまりなかったからね」 佐藤:「実際、ひとりの人間が一定の時間内に考えることができる思考に対して、外からくる情報量が増えすぎている苦しさを最近は感じます」 松本さん:「それで高校になると ツェッペリン が出てきたり、日本だと荒井由実が出てきたり、オフコースが出てきたりとか」 佐藤:「はっぴいえんど とか」 松本さん:「はっぴいえんど は”風をあつめて”が出てきた時、こいつら何者だ!と思いましたよね。かたやテレビで流れてくるのは前川清とか水前寺清子っていう時代だったからね。松任谷由実の”ベルベット・イースター”なんかもう全然違ったもんね」 佐藤:「丁度マイノリティーが革命的に音楽の勢力図を塗り替えていった時代だったんですね」 松本さん:「矢野顕子とかね〜。あっこのSwing Swang Swingin'なんて大学の生協で買ったんじゃなかったかな?」 佐藤:「えっ!生協でレコード売ってたんですか?」 松本さん:「うん。年末になるとセールとかもやっててSavoyのレコードとか¥1,300くらいで売ってましたねぇ。レコードの針まで売ってたりしたからね。エンパイアとかの」 佐藤:「面白い!」 柴田:「でも当時レコードって高かったですよね?」 松本さん:「そうですよ。高くてなかなか買えなかったですよ」 佐藤:「そこでジャズ喫茶!」 松本さん:「そうそう。御茶ノ水のNaruとかNew portとか…。Smileなんかは週に3日は行ってましたね。あ、それはもう大学生になってからですけどね。その頃ジャズ喫茶っていったら、やっぱりJBLだったよね。当時は本当に雲の上の存在でしたからねぇ。あんなデカイものを家に置くっていう感覚がないから、床が抜けるぞ、みたいなね」 柴田:「でもそれが今、目の前にあるという(笑」 松本さん:「子供の頃買えなかった駄菓子を箱ごと買っちゃうみたいなね」 【松本さんの装置】 Player & Pre amp:LINN:<KLIMAX DSM/2> Power amp:LINN:<KLIMAX SOLO/d> Speakers:B&W:<800D3/B> AD Player:Acoustic Solid:<Solid Machine> Tone arm:ortofon:<RS-309D & RS-212D> Cartridge:ortofon:<SPU CLASSIC GE & #1S & #1E> Step up Trans:ortofon:<ST-90> Phono amp:LINN:<UPHORIK> Phono Cable:van den Hul:<VH-D501S-5P12> Record cleaning machine:KLAUDiO:<CLN-LP200> AC Enhancer:RGPC:<400 pro> XLR Cables:van den Hul:<VH-MOUNT-10XW> SP Cables:van den Hul:<VH-CLD-3.0m> Lan Cables:Transparent:<HP Ethernet> Lan Cables:NORDOST:<HEIMDAL LAN> Lan Cables:CHORD:<EPIC Streaming LAN> NAS:QNAP:<HS-251 SSD 1TB> 佐藤:「揃えましたね〜!!」 松本さん:「これだけ揃える予算があったら自分だったら旅行に行く、とか考える人もいると思うけど」 佐藤:「確かに。音楽再生に期待するものの基準は人によって違いますよね」 松本さん:「まぁ結局ぼくは音楽が好きだからね」 松本さん:「オーディオっていうのは、今まで聴いていた音楽から聴いたことのない音が聴こえてきたりするものだけど、この800D3を導入した時は特にそれを感じましたね。え!シュタルケルの演奏ってこんなに凄かったんだ。とかね」 佐藤:「重要なポイントですよね。オーディオに期待するところってやっぱりそこですよね」 柴田:「演奏の魅力により近づくために」 松本さん:「あ〜それはあるでしょうねぇ。道具って大事だなって思いますよ。それじゃ聴いてみますか?」 柴田、佐藤:「是非とも!」 後記)松本さんにはこの後 The JAZZ Messengers のライブ盤などを聴かせていただきました。本当にアート・ブレイキーがいざドラムベンチに腰掛けようとする姿までが見えるようなリアルさ(!)耳だけでなく全身で感じるような再生を聴かせていただきました。松本様、ありがとうございました! 担当:佐藤 泰地(企画室) 柴田 学也(5555 3F) |
このページに関してのお問い合わせは 担当:柴田 あてにお願いいたします。 |
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